2013年04月03日

"透明感"

見渡す限りの雲ひとつない空
高く、高く
視線の高度を上げるたびに深まっていく青

聞こえてくるのは
穏やかに重なり合う波の音
凪いだ海がしぶくのは波打ち際だけ
深く遠く続く蒼

キラキラと輝く陽射し
ゆらゆらと踊る風

大きく手を広げて
大きく息を吸い込んで
指先からつま先まで
溶け込むように深く深く

この何もない世界に染まる
どこまでも濁りのないここに

見えなくなる
触れなくなる
存在そのものが消え去る

あらゆる先端から水滴となって
ほどけて空へ海へ還ってゆく

汚れきって淀みきっているのに
包み込んでもなお侵されない

後悔はない
やっとこれで綺麗になれる

posted by 華涼紗乃 at 18:49| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月26日

"動物園"

子どもの頃にしか行ったことがなかった
大人になってからいくのは
何だか違う気がしてた

知識は持っている
例えばクマとかパンダが
ぬいぐるみと違って
獰猛な生き物だということとか

たくさん映像も見た
別にわざわざ出向いてみるほどでもない

彼女に行こうといわれたときは
ずいぶん子どもっぽいなと思った

でも半ばお付き合いで行ったのに
僕のほうが楽しんでしまっていた

手足を動かす様子
歩く、走る、飛ぶ、鳴く
すべてに命が宿っている
半分死んだような人ごみに
毎朝もまれてる身としては
とても一つ一つが生き生きして見えた

触れてみると鼓動を感じる
ぬくもりを感じる
バーチャルや映像やぬいぐるみでは感じ得ないものが
そこにある

生きていこう、そう思えた
シンプルにややこしいことは考えず
心臓が鼓動を刻む、呼吸をする
その限り、ずっと
posted by 華涼紗乃 at 16:28| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"ストーカー"

ちょっと聞いてよ、最近、何か男の反応が悪いのよね
へえ〜、何でだろうね?
合コンとかでいい雰囲気になるのにその後が続かないの
いつも誰か彼氏にしてたのにね
そうなのよね!私なんか変わった?

何も言わずに首を振った
だよね〜って言ってる彼女

変わったのは男たちのほうなんだよ
とてもとても慎重になったの
あなたの男遊びや今までの男性に対する仕打ちを
みんなみんな噂で聞くようになった

さらに最近は本名を聞けば検索できる
SNSとかたくさんあるし
たどれば誰とでも繋がれる便利な時代

それにあなたは発信してるよね

「あの男つまんない」
「プレゼント買わしてお別れしよー」
「キープしとこうかな」
「今日は彼にナイショで合コンなんだ」

あなたが把握してるよりずっとずっと
あなたの発信してる事柄は広がってる

昔はストーカー並に調べなくちゃダメだったこと
今は手のひらで簡単に知ることが出来る

あなたに引っかからなくなったんだよ
みんなとても賢くなった
いつ気づくのかな?それに
みんな知ってるって
あなたが思ってるより
ずっとずっと奥深くまで
posted by 華涼紗乃 at 16:28| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"憶測"

こんなに科学も進歩したのだから
もう少し人の身体のことも
わかりやすくなって欲しい

自分自身で確実に診断できるような
病院を利用するのは確定する検査や
原因を取り除く手術だけで
薬の処方や自分の身体の診断は自分でつくようになればいい

自分のことを何も知らない人間が
経験だが症例だか知らないけれど
一番多い可能性から
実験的に対処していく治療法は
果たして本当に正しいのだろうか?

ネットでの中途半端な情報
一人で憶測でも予測がついてしまう時代だから
その可能性を微塵も考えない医師に当たると
それこそ目も当てられない
病院では自分の身体についてすら
権利を持たないのだから

憶測で不安になったり
傷ついたりするくらいなら
全部わからないほうがいっそ良いのか
それもそれで不安になるのか

ともあれ中途半端な情報は
身体の毒にしかならない

病は気から
憶測で病気になってしまうくらいなら
気のせいだよって笑ってるのが
一番の健康法なのかもしれない
posted by 華涼紗乃 at 16:27| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月20日

"レシート"

どうしてこんなことになったのだろう
その日は普通に始まったのに
眠い目をこすりつつ
最寄り駅までの道を歩いていたら
いきなり黒い袋をかぶせられて
身体を持ち上げられて車に乗せられ
手と足を縛り付けられた

お決まりのセリフ
「おとなしくしろ、従わないと命はない」

それから廃工場のようなところで
マットの上に転がされている
食事とトイレ以外はこの格好
手を伸ばせば届くくらいの高さに小窓があって
そこから射しこむ光で昼と夜の違いがわかる

数時間は呆然としたままだったけど
とりあえず助けを呼ばないと、と思う
鞄以外の持ち物は奪われなかった
胸ポケットの財布を苦労して外に出す
膨らんでいるのはお札じゃなくて大量のレシートのせいだ

これに何か書いて飛ばせば
助けを呼べるんじゃないか?
小石で指の先を傷つけてインクの変わりは血で

一枚にたくさんは書けない
考えないと、考えないと
助かるために

このレシートに命を託す
二つ折りにして
手を伸ばして小窓から次々と飛ばした


posted by 華涼紗乃 at 12:27| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"破損"

紙のお札を貸して
…素直に金貸してって言えば?
違う!紙幣そのものが必要なの!金としてじゃなくて
どういうこと?
マジックの練習してるんだ

満面の笑みで言うから
千円札をつい出してしまった
ありがとうといって友人は受け取り
ビリッ!
ソッコウ真っ二つに破った

…え?準備的なことをした感じはまるでなかったけど??
受け取って破っただけに見えたけど、まさかな?

真っ二つの紙幣を持った友人の顔が
どんどん青ざめていく
…手順、間違えたな

マジックなんだろ?戻せるんだろうな?
え、あの、その…
『貸した』んだから『返せ』よな
えっと、ごめ…
ちゃんと!元通りにして返せよな!

でも、破っちゃったものは…もう元には…
銀行!
…え?
紙幣の破損は銀行行ったらお金と変えてくれる
…そうなの?
さっさと行って来い

うん、じゃあ…
一瞬輝いた友人の顔を見逃さない
ちょっと待て
え?人質としてお前の千円を置いていけ
…えー
それで俺の金持ち逃げしたら詐欺だぞ!!

あはは、引っかからなかったか〜。
友人はそういうと真っ二つの紙幣を重ねて
両手の中に一瞬隠す
ぱっと開いたら元通りの千円札

心底びっくりした
おー、成功、大成功、はい、どうぞ。
な、おまえどうやって
マジックだよ、普通にやってもつまんないしー

情けないことにスキップして去っていく友人と
千円札を交互に見るしかできなかった
posted by 華涼紗乃 at 12:25| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"本棚"

本棚は秘密を隠すもの
本をカムフラージュにして

市販の本棚は本一冊分を置くには
奥行きが広すぎるものが多い
それだけの収納力があるということだけど
人はそこに秘密を隠す

手前に隙間なく並べられた本を
抜き取って奥を見るなんて
心理的にあまりやらない
探してるものがあるなら別だけど

あなたは本の虫だから
背の高い本棚が部屋にある
ずらっと並べられた本は壮観

スマートフォンで写真を撮る
並び順をあとで確認するため

そして椅子を持ってきて
上の段から順番に本を抜き取っていく
本当は投げ捨てたいとこだけど
ばれだからダメだから

やっぱり出てきた
本の壁の奥から
元カノとの写真や思い出の品、過去の携帯電話
捨てるって約束したのに
世には出せない類の大量のDVDや本
捨てるって約束したのにね!

一番下の段の奥から出てきたのは
私の友達とのプリクラ
楽しげに、親しそうに、写ってる

…悟った
捨てなきゃいけないのは私のほうだった
捨てられなくてぐずぐずしてたのは私のほうだった

置きっぱなしの私物をまとめて
まるで魔窟の本棚を元通りに

これからは背の高い本棚を持ってる男とは
付き合わないようにしよう
どんな秘密を隠し持ってるかわからないから


posted by 華涼紗乃 at 12:25| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月13日

"乱雑"

部屋に入って一番に感じたのは違和感

散らかった部屋だ
キッチンのシンクには汚れた食器が溜まっているし
床にもチラシや洋服、ごみがそこここに落ちている

ソファには枕と毛布、脱いだ部屋着
ローテーブルにはビールの缶が積まれている

ここまではただの乱雑な部屋だ

だけどローテーブルを挟んで
ソファの向かいにあるのは
真っ白なシーツがシワひとつなくかけられたベット
そしてその周り30cmにもごみなど、ものはない
そこだけ空間がくりぬかれたように清潔で綺麗

浴室のほうを見てきた同僚が声をかけてきた

ここの風呂、新品同様だぞ
え?部屋はこんななのに?
ああ、タイルはピカピカ、湯船や目地まで真っ白だ
ここもベッドの近くだけとても綺麗なんだ

…違和感の正体は二人ともわかってるんだ

決まりだね
ああ、決まりだ

獲物を連れ込んだときはもう少し綺麗だったのだろう
ベッドに連れて行き、好き放題嬲ったあと
浴室でバラバラに切り裂いた

そしてその現場を
まるで宝物のようにぴかぴかに磨き上げた

ベッドを見ながら殺害した瞬間を思い出して酒を飲み
風呂に入りながら解体したことを思い出していたのだろう

ここは猟奇殺人の容疑者の部屋だ
posted by 華涼紗乃 at 17:16| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"トースト"

目覚ましが鳴ったら
起きなくちゃいけない
どんなに眠くても
目も開いてなくても
とりあえず身体を起こして
立って歩いて

まだ半分夢に片足突っ込んだままで
頭なんか使わずにロボットのように自動で動く

フライパンを火にかけてソーセージを焼く
トースターにパンを入れる
お皿を出して
ソーセージに軽く焼き目がついたら
油を入れて卵を割って塩をパラパラ
目玉焼きを焼く

トーストをお皿に入れて
目玉焼きの黄味が白っぽくなったら
お皿に移す

一連のちょっとした待ち時間にハミガキ

起きてきた家族とともに
とりあえずいただきます
トースト半分かじったら
ようやく目が覚める

同じトーストに飽きたから
メニュー変えようとか思うけどなかなか出来ない
もう反射のようにインプットされた動きを
勝手に身体にやらせていたほうが何事もはかどるから

朝は大変
いくつでも
いくつになっても
それは変わらないもんなんだな
posted by 華涼紗乃 at 17:15| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"認証"

ナップサックを背負って夜の街を走る

本当はダメって言われてたんだけど
うるさいし、抵抗するし、
うっとおしいし、時間ないし、
しょうがないよね

ま、もうやってしまったものは仕方ないのだ
でも出来るだけ早く行かなくちゃならない
何らかの異常が出てしまう前に

月を隠してしまうほど大きな建物の前に到着
扉の前にはもう仲間が着いていた

僕が一人なこと
ナップサックの不自然な形で
仲間は何が起こったのか早々に察したようだ

認証できなかったらお前を刺すからな
…だ、大丈夫だよ…多分

ナップサックから取り出したのは
ヒトノクビ
幸い目は開いたままだったから
そのまま認証装置にかける

もう焦点の合わない眼球を
赤く細い光がなでてゆく

ついたランプの色はグリーン
横にあった重厚な扉が
静かにゆっくりと開き始めた

…もう少し慎重になれ
はいはい、大丈夫だったんだから良いじゃん

二人は扉の向こうの闇へ飛び込んだ
posted by 華涼紗乃 at 17:15| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月06日

"りんご"

世界は辛いことばかりだ

雲ひとつない青空で
風もなくてポカポカ陽気で
小鳥がピヨピヨさえずっていて

そんな平和な中にいても
僕はベンチに座って
頭を抱えてため息をつくことしか出来ない

真っ暗な映画館に閉じ込められた僕の脳は
ついに暗黒の内なる世界への
螺旋階段を降り始めたらしい

何にも良いことなんかないのに

ふいに太陽の光を反射して何かが光った
宙に投げられた丸くて紅い実

金髪のくるくる巻き毛の
嘘だろう?と思うぐらいオーソドックスな天使が
白い服を着た胸の辺りで
大きなその実をきゅっきゅと拭いて
僕に投げてよこした

思わず受け取った
顔を上げたらもう天使はいなかった

手の中にはずっしりと重く中身の詰まった林檎
つやつやとキラキラと輝く
皮をむくことさえもったいない
その芳しい香りに僕の脳でさえ反応した

恐る恐るかぶりつく

カプッと音がした
口の中に広がる甘酸っぱい果汁
シャキシャキとした歯ごたえ

電気信号が神経を伝っていく
こんな単純で些細なことで脳が喜んでる

複雑な刺激に慣れすぎていただけだ
まだまだ世界は光に満ちている

あの天使は僕たちに
忘れ去られた智恵の実を運んでいるのかもしれない

posted by 華涼紗乃 at 18:30| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"中古品"

古本屋めぐりが大好きな私に
潔癖症の友達は
よくそんな誰が触ったかわからないもの
お金出してまで買うわねという

そう言ったら
新品の本だって
その紙が生まれた瞬間に
あなたが初めて触れたわけではないでしょう?
といつも返すことにしている

紙が手にしっくりとなじむ感じは
何にも変えがたいものがある
切れそうな新品も良いけれど
熟成を重ねて色も深くなって
角も丸くなって心地いい

そういうと友達はワインみたいに言うのねという

あんな出来てから何年も経ってるお酒
腐ってそうで飲むの嫌だよと
私が言ってるからだろうか

結局は相容れないけれど
ま、雰囲気はお互い伝わってはいる

でも、友達は言う
ワインは中古とかないから!!

…栓を開けないまま個人間で
売り買いされてると聞くけど
それは中古品ではないのだろうか

posted by 華涼紗乃 at 18:29| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"美術館"

芸術なんか露ほどもわからないけれど
絵というものは圧倒的な力があると思う

でもそれはその物限定だ
どこかに印刷されたものや
転載されているものじゃいけない

そこにはその作品が纏うすべてがある
思わず手を伸ばせば
中に入っていけそうな圧倒的な存在感
額縁が窓枠に見えることさえある

絵の具に混ぜ込んだ魂が
そこに確かに存在しているのだろう

だから
何も知らないけれど
高尚なことなど何も言えないけど

その絵の前でふと足を止め
じっと見入ってしまうだけで
もうそれは琴線に触れてしまっている

敷居なんて高くない
その感動を味わいに美術館へ

出来るなら
隣に同じ感動を味わえる誰かがいれば
なお良いのだけれど
posted by 華涼紗乃 at 18:28| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月27日

"スナック菓子"

私の夫は兄の親友
三年ほど前に紹介されて
彼が私を好みだといってお付き合いが始まった

とにかくシャイで男兄弟ばかりだからか
あんまり女の子への接し方もうまくなくて
最初は不安だったり少し怖かったりしたけど

彼も一生懸命、慣れないながらも
私を大事にしてくれてるって知ってからは
一緒にいるのが楽しくなった

その彼がある日、兄に話があるという
しばらくすると
何かが崩れるような壊れるような
物がぶつかるような音が聞こえ出した
兄の叫ぶ声も一緒に

お前になんか大事な妹をやれるか!!
プロポーズのことくらい自分で考えろ!
俺は指輪のサイズくらいしか力になれんと言ったろうが!

え…?どういうこと?
兄の部屋の扉をノックするけど聞こえてない
そおっと開けると
扉にポテトチップスの袋が勢いよくぶつかった
開いてて中身もまだ入ってたから砕けて宙を舞う

お兄ちゃん!と強めに声をかけるととたんに固まった
ポテトチップスまみれで

あ、今の聞いてたか?
うん、聞こえちゃいましたけど…?

うわあああ!お前のせいだお前の!
元はといえばお前がぐずぐずしてるからいけないんだろうが!
取っ組み合いを始める彼と兄

扉をバンと大きく開いた
その音に二人はまた制止した
入り口に正座する
三つ指ついて
よろしくお願いしますと言って頭を下げた

こ、こち、こちらこそぉぉぉ!
ごちんっ!とすごい音がした
彼も正座して頭を勢いよく下げすぎて床に激突
そのあと三人で大笑い

彼の髪にたくさんついたポテトチップスを今でもよく覚えている
posted by 華涼紗乃 at 21:53| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"計算ミス"

強い女性に憧れる
スタイルもよく
まなざしも涼しく
いつも凛としている

彼女に魅かれたのは
そんな面を見たから
募る思いを抑えきれずに
友達の制止も振り切って告白した

彼女は珍しくうろたえて
…私なんかでいいのか?と聞いた
即答した
…あなたじゃなきゃ嫌なんです!

そういうとぼんっと顔が真っ赤になって
ぎこちなくうなづいてくれた

僕も彼女も付き合うのは初めてで
まだまだ手探りだけど
彼女は強いだけじゃなくて
二人でいると女の子らしくしてくれて
彼女として必死になってる
それがすごく可愛らしくて
そのギャップにハマって
ますます好きになっていく

すごく嬉しい計算ミス

ときどきどこかから
強い視線を感じるけど
それは受け流して

やっと照れずに繋げるようになった手を
きゅっと握るとはにかむ

これからも大事にしていこう
彼女もこの気持ちも何もかも
posted by 華涼紗乃 at 21:48| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"見取り図"

朝起きて歯磨きをしながらテレビをつけた

朝のニュースで最近騒がれていた
猟奇殺人の犯人逮捕を知らせていた
顔写真を見て驚き
危うく歯ブラシを落とすところだった

半年ほど前に来たお客さんだった

うちで扱う部屋の見取り図を
ネットで見て来店された
細い目の穏やかそうな青年だった

希望される部屋の
ほとんどが浴室が大きいところだった
普通は部屋のほうに重点を置くのにと妙に思った

浴室の換気扇の位置にもこだわっていたっけ
玄関側についているのは嫌だとか
出来れば外に人の通ることのない壁側に
ついているほうがいいだとか

女性だったらわかるけど
男性であのこだわりはないよな

あれはこのための場所を
探していたんだなと今ならわかる

犯人は何人も殺して
すべてバラバラにしていたのだから
posted by 華涼紗乃 at 21:36| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月20日

"ごみ捨て場"

助けて、たすけて、タスケテ…

重い、動けない、もう一歩も
辛い、でも泣けない、涙なんて枯れた

ここは暗くて冷たくて

渇く、渇く、のどを掻き毟りたくなるほどに
付け焼刃に咳をしても、もう苦しいだけ

ほんの小さなひとかけら
言われて嫌だったこと
されて嫌だったこと
無理矢理やらされたこと
ストレス、ストレス、ストレス…

見ないように、気にしないように
傷つかないように全部流したつもりだったのに
気がつけば膨大な量になっていて
うずたかく積み上げられている

そこから染み出た嫌な液体は
澱のように泥のように心に巻きついて
冷やして固めて渇いてゆく

このまま砂で出来た城みたいに
風に吹かれて消えてしまえば楽なのに
そうはいかない

生きてる以上
生きていかなきゃいけなくて
生きてる以上
ごみはどんどん溜まっていくのだ

もうとっくに満足して
あとは不満だけが
増幅されていくだけなのに

手を伸ばしても
空さえ
ごみに阻まれて
もう少ししか見えない
posted by 華涼紗乃 at 19:45| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"合法"

法律なんて関係ない!なんて
甘いこと言ってるんだから

漢字も読めない、物も知らない
可愛いだけの若い子に
そうやすやすと
やられたりするもんですか

出し抜きたければ
もう少し人の見る目と
さまざまな経験をつんできなさいな

あ、そうそう「慰謝料」くらい
読めるようになっていてね

彼氏彼女なら合法よ
とったりとられたりはお好きになさいな
でも結婚は契約
婚姻届はそれだけ重いものなのよ

でも良かったわ
私はその重さに潰されそうで
そろそろ疲れていたから
厄介払いした上に
お金までもらえるなんて
さらに勝ち誇った小娘に
制裁を加えることが出来て
ますます愉快だわ

あの頼りないぼんくらにそろそろ連絡取ったらどう?
助けてくれるとはとても思えないけどね
posted by 華涼紗乃 at 19:45| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"イベント"

冬はイベントが多い
クリスマスにバレンタインにホワイトデー
寄り添うほうが暖かいから
自然とそうなったんだろうか?

最近はカップルだけのイベントではなくなって
みんなで集まってわいわい騒ぐことも出来るから
まだまだマシになったほうだ

なんだかんだと売れるので
テレビや雑誌やネットで
大々的に宣伝するのだろう

でも
もうそろそろうっとおしい
皆なんでそんなにテンションが高いんだ

俺が一人だからじゃないぞ

それなりに予定が入っている「こともたまにはある」し
チョコも「実物じゃなくてアイテムだけど」もらえるよ

それにしても皆楽しそうに生きている
人生のイベントを確実にクリアしていって
そんな気概はもう失せた

一発逆転のチャンスが
転がってこないもんかと
妄想くらいしかできない
ただただ、むなしいだけだ

将来なんて何がどうなるかわからない
ビジョンもない
ただゆるゆるとこのまま過ごして年を取るのだろう

イベントはたいてい
必要条件を満たさなきゃ
自分の身には起きないものだからな
posted by 華涼紗乃 at 19:43| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月13日

"容疑者"

何にも悪いことはしていない
その思いは今でも変わらない

人を騙して何故いけない?
騙されるほうが悪いんだろう!
現に相手にもおりるチャンスはいくらでもあったはずだ
それを選ばなかったのは自己責任じゃないのかよ?!

昔からゲームは裏技ばかり使ってた
他にもテストとか提出物とか
少しでも楽に出来る方法を探して探して
今まで生きてきたんだ

人に危害を加えるのはいけない
自分だってやられたら痛い
それはわかる
だから一度もやっていない

ターゲットにはほとんど手を触れないし
怒鳴りつけたことさえない

仲間は言う
お前は失敗したんだよ、相手が悪すぎた
警察は言う
騙す意図があったのなら、これは罪だ

テレビで報道されている容疑者は
拘置所の中で頭を抱える
失敗したことはわかる
負けたこともわかるが
ここに閉じ込められるようなことなのかがわからない

ペナルティが途方もないことを誰も教えていないのだ
そこに想像がいかない
これから彼には相当なしっぺ返しが降りかかる

知らず知らずのうちに
人生そのものをチップに
ギャンブルしていたなんて

彼こそ、心底騙されてたのかもしれない
posted by 華涼紗乃 at 19:53| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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