2013年07月03日

"起承転結"

今日はどしゃ降りの雨
街全体が灰色に染められる
山の向こうの研究所も
動物園も美術館も
ファミレスもごみ捨て場も
そして駅も

ラッシュ時のホームは混雑している
みんなきちんと順番に並んで
寝不足の顔で電車を待ってる
ペットボトルの飲み物を飲みながら
喫煙所で煙草を吸いながら
そんな風景を見下ろしながら
ゆっくり点滅する看板の上に佇んでいた

背中にある片方だけの翼の存在とこのシステムには
もう慣れたけれど
それでもこの重みは歓迎できるものではない
もう長いことこの姿なのだから
新陳代謝でなくなったりしないのかと考える
まあもう生きてはいないけれど

駅や線路は願ってもない私たちの狩場
こんな鬱々とした一日は飛び込みたくなる者も多い

そんなときは思考のらせん階段を知らずに降りてゆく

善悪とか非暴力とかいうアラームがぶっ壊れてる人だった
圧倒的な力で持って何もかも破損し、何もかも没収する
金持ちの跡継ぎで甘やかされたのだろうがあまりにもひどかった

おもちゃ箱のおもちゃはことごとく壊れ
本棚の本は汚れて
お気に入りのレターセットも
遊びに行った場所のパンフレットも
大好きな映画の原作本も
クロゼットの奥にしまっておいた
コンサートのチケットも
レシートを見つけられ破り捨てられた

その度に廊下の隅のデットスペースで泣いていた
泣きながら乱雑に散らかって
全部濁点の呪詛だけ吐き続ける頭の片隅で考えていた

隠しごとをしたら告げ口され
慎重に抜け道を探しても結末は同じ
起死回生の見通しなんて立たない
小手先では一進一退を繰り返すだけ
吸血鬼のようにハンターのように
待ち伏せされ搾取されるだけ

普通で当たり前の幸せの起承転結
それすら何故望めないのだ

だから迷走した頭が書いた設計図にのった
殺されたフリをして自殺するという時限爆弾
思考だけは自分が透視できるのかと思うほど読みやすかったから

インパクトのある事件になったから話題になった
料理人のアイツは容疑者になり
三角関係の末、ストーカーしてたことも明るみに出た
お節介なマスコミはあることないこと探索し
様々な憶測が飛び交い、雑誌は売れ、一種のイベントにさえなった
最初は半信半疑の人たちでさえ
巻き込まれるのを嫌って離れていった

計算ミスは使いまわしのメールの手抜き加減とか
証拠に用意したキーホルダーが中古品だったこととかを
あっさり見破られたこと
私を調べた年上の医師が優秀だったこと

今の私の存在に認証とか署名とかいらないから
見取り図さえあればどこへでも行ける
この件の報告書を読んだときすばらしいとさえ思った
今思うとシュレッダーにかけてやれば良かった

演技してまで陥れようとした私をみんな恐れた
名無しの私は被害者ではなく主役になった
でもその件で合法でもアイツは社会制裁を受けてダメになった

雨がやんで空がだんだん明るくなってきた
まだ雲が空を覆っているのに光源はどこなのだろう
透明感のある空気が街中を包んでいく

線路には今日は獲物はかからなかった
駅の中に舞い降りる

バリアフリー対策のスロープに
カードの落とし物を見つけた
買い取り専門店のポイントカード
見覚えのある名前にぞっとした

意識は真っ黒に塗りつぶされた
まだまだ懲りてないらしい
先約があったけれど意識の中から消し飛んだ

そして自然と以前使っていた帰り道へ向かった

喫茶店のメニューを読む
サンドイッチにホットケーキ
アイスクリームにハニートースト
りんごのジュース
食べたいけれどもう無理だ
氷水を出されている客がうらやましい

たい焼きやスナック菓子を
ほおばって遊ぶ子どもたち
そんな簡単なことも出来ない

お洒落なメゾネットタイプのマンションが見えてきた
あのおぞましい日常の近くで
再出発なんて良い度胸だ

もう一度きっちり突き落とすことに決めた
そしてその翼をひとかけらも残さず喰ってやる
posted by 華涼紗乃 at 20:18| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月26日

"パンフレット"

全部、全部とっておくのよ
あなたといった場所の思い出の品は

映画のパンフレット
住宅展示場のパンフレット
結婚式場のパンフレット

全部、全部

あなたの声も残らず録っておくの
カメラを回したらさすがに失礼だから
声だけでもちゃんとね

何回も見て、何回も聞いて思い出すの
あのときの幸せな気持ちとか
あのときのあなたの表情とか

だってもうあなたは私の傍にいられないもの
しょうがないわよね?
私を騙すなんて本当にタチの悪い冗談だわ
だからしばらくお灸をすえてもらうの

大丈夫、ときどきは会いに行くわ
ちゃんと反省したら迎えにも
いってあげるからね

そのときは

忘れ物なく、時間もぴったりに
完璧なタイミングで現れるから待っていてね


posted by 華涼紗乃 at 23:28| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"レターセット"

新品のレターセットを買ってきた
真っ白の紙に灰色の罫線だけひいてある便箋
郵便番号を入れる欄だけ真っ赤に印刷されている封筒

今から書く文章に
最大限のインパクトを与えるため
極端にシンプルなものを選んだ

ふうと一息ついて
ブルーブラックのボールペンで書き出す
三行書いて丸めてポイ
五行書いて破いてポイ
恨みつらみが多すぎて
ひとつの話を完結する前に
他の話が浮かび上がってきてどうにもならない

頭をぐしゃぐしゃとかきむしる
もうあの人のことで悩まされるのは嫌なのだ
だから短く書いた

この期に及んであれもこれも書いたって
何にもわかってなんてくれないだろうから

私のことは忘れてください
死んだと思ってください
私もあなたのことを死んだと思うことにします
もう二度と会うことはありません
永遠にさようなら

便箋の真ん中にそう書いて
最後に署名をしたためた
三つ折りにして封筒に入れる

あの人がこれに気づく頃
私はすでに空の上だ

あの人を国ごと捨てていく
もう戻らない、永遠に

posted by 華涼紗乃 at 23:27| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"跡継ぎ"

生まれたときからその後の生き方が
何もかも決まっている人というのは確かにいる
小さい頃からその世界に閉じ込められ
その世界でしか生きられなくされていく

何らかの葛藤がありながらも
そのまま生きることは
その生き方に何らかの魅力があるからなのだろう

何の道筋も決められず
すべて自由に生きてきたといっても
所詮は何もかも流されて
そこそこの場所にいてさえ

生きるのに窮屈なのは何も変わらない
posted by 華涼紗乃 at 23:26| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月19日

"システム"

さっきほどから
各方面からの連絡が入りだした
現在の状況と指示の要請

カチリカチリ
ライターのふたを開けたり締めたり
薄暗い部屋に
モニターの放つ青白い光が満ちる

もう少し、もう少し
パズルのピースを端から埋めていくように
慎重に慎重に
周りを固めて一滴の水も漏らさぬよう

システマチックに動く人々
どの人間にも心の底に持つものは同じだから
ここは歯車になることにむしろ誇りを持つ

たった一人の人間を追い詰めるために
大勢の悲しい思いをした人の心を背負って

カチンとひとしきり大きな音を立てて
火蓋は切って落とされた
posted by 華涼紗乃 at 16:36| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"透視"

超能力が欲しいならどんな能力が良い?

テレビで若い男の子が答えてた
もちろん透視能力が良い!何でも見放題!

気持ち悪い笑みはテレビ的にどうだろうか?
そんなにいいもんじゃないということだけは
教えたいと切に思うけれど

ある日衣服を認識しなくなった僕の目は
世の中の人が全員裸に見えた

最初は喜んだけれど
服という身体を覆う布は偉大なもので
着ることで人間の体を数倍
ラインよく綺麗に見せてくれる

綺麗な服来て着飾って
可愛い子は五万といるけれど
本当に美しいカラダを持っている人は少ない
となると
ただただ肌色の物体がうごめいてるだけで
ときには気持ち悪くすらなる

そして自分の服が選べないのもいたい
感触はあるから着ることは出来るけれど
自分がどんな格好なのかわからないというのは恐怖
自分ではみんな裸に見えてても
みんなはそうじゃないから
幸い、彼女がそこのところ面倒見てくれるから
良かったけれど

服でも、水着でも、下着でも
それがあるからこそイイものがある

何でも見通せりゃいいってもんじゃない
posted by 華涼紗乃 at 16:35| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"迷走"

ただ頭を遊ばせておくと
本当にろくなことなど考えない

こんなにも人は死にたいものなのかと驚くほどに
ぐるぐる迷走してはそこへたどり着く

退屈で退屈で
毎日が同じことの繰り返し
起伏のない年月は
膿んで腐って異臭を放つ

頭がその臭いに侵されていく
まあ、そういうもんなんだろう

その負の連鎖は自分が動くことで
普通解消されるけど
それすらも面倒くさいなら
もう本当に救いようがないね

制御を失ったラジコンカーのように
くるくるくるくるその場で回って
バックと前進を気がふれたように繰り返し
スピードもなくなって
気の抜けた音をさせながら壁に当たって止まる

暴走も出来ずに
ただただ
迷走だけを繰り返す
posted by 華涼紗乃 at 16:34| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月12日

"話題"

ちょっと話があるんだけど

この切り出し方で始まると背筋が冷える
また何かしただろうかとドキドキする

だいたいしょうもない話題なんだけど
ときどき深刻な話になるから

そうなったら、とりあえず
相手の話はさえぎらず
うんうん、と聞いて
誠心誠意、真摯なフリをして謝る
本当にそう思ってるの?!なんて
言われた日にはキレそうになるけど
ぐっと下腹に力をこめて耐える

たまに我慢までして
一緒にいたいかと思うときもあるけど
何でか自分から迷いなく
「一緒にいたい」との返答があるので
ならしょうがないと諦めてる

惚れてるっていうと何か違う気がする
一緒に話してて楽しいとか
一緒にいて心が安らぐとか
良いとだめな境界が似てるとか
そんな打算的な感じで

うーん、やっぱ惚れてんのかな

良かった、今日はしょうもない話題だ
ほっとしてたら、聞いてる?と
慌ててうなづいて、話し出す

この時間、うん、悪くないな
posted by 華涼紗乃 at 18:43| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"出発"

今日も夕焼けを見ながら考える
ここに留まっていていいのかと

何も不自由はしていない
仲間たちとは気が合うし
心配になるほど働き者のアイツがいるおかげで
毎日がとてもとても快適だ

だけど平穏すぎて変化がない
このいいところ過ぎるココを
普通に出て行った仲間もたくさんいる
だから何度もココから出て行こうした

だけど涙を浮かべて
旅立ちを応援しようとしてくれる
あいつの顔を見ると
なんだかんだ理由をつけて出て行けない

たまに遠出して聞こえてくる話によると
最近は本当にこんな快適なところは
珍しいくらいらしいから

アイツがあんまり働き者でなくなって
だんだんとここから離れていく日が来るだろう

そのときにこっそりと内緒で
ここを出て行けばいいかと最近思う

バタバタと後ろから
駆け寄ってくる音がする
頼んだ仕事をもうやってくれたみたいだ

報告するときの笑顔を見ると
見守らなくちゃなと思う

出発はまだまだ先になりそうだ
posted by 華涼紗乃 at 18:43| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"カード"

板チョコのひとかけらのような
小さくて薄く黒いカード

この中には膨大な個人情報が詰め込まれている
電子の海に流してしまえば
破滅する人間は後を絶たない

こんな指でつまめるほどのものに
人生狂わされるなんて
納得がいかないけれど、そんなものだ

所詮、人を取り巻くのは情報でしかない
様々な感覚器で情報を感知し
それによって生きているだけだ
その情報は簡単に小さく
まとめてしまえる世の中になってしまった

図書館の片隅で
弁当箱サイズのノートブックにカードを差込んだ
キーボードをカタタタタン
情報は電子の海に流れていく

簡単、簡単
世界を掌握するのも
人類を滅亡させるのも
多分、今は、こんな感じで
最後は一瞬で決まるのだ

そこここで、早速小さく悲鳴が上がりはじめた
ここは図書館なのに
静かにしないとダメなのになぁ
posted by 華涼紗乃 at 18:42| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年06月05日

"線路"

先が見えないものだ
前も後ろもない
どこからかここに連れられ
どこかへまた運ばれていく

始点も終点もあるはずなのに
その限りがわからないところが
線路のいいところ

まるで自分みたい
どこから来たのかは忘れた
どこへ行くのかはわからない
ただこの瞬間だけは
自分は存在していると感じる

だから僕は終点の駅は嫌い
線路がぶっつりと切られて
コンクリートの壁が
暗く、高く、そびえているのは
自分まで断ち切られそうで落ち着かない

過去にも未来にも目をむけず
かと言って
全部なくなってしまうのは惜しくて

とても曖昧な途中の線路がいい
そこに立って
始点や終点に歩き出そうともせずに
ただ見えない限りを
見るフリをしているのが一番かっこいい
posted by 華涼紗乃 at 17:21| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"新陳代謝"

今はまだ誰も知らない技術
それをこれから少しずつ浸透させようと思う

その過程でどんと儲けさせてももらうつもりだ
何といっても研究には金がかかる

私が手がけているのは新陳代謝に関する研究だ
古い細胞と新しい細胞が入れ替わる、それ
そのスピードは今まで決まっていた
もちろん、生活習慣やサプリ、化粧品などで
活性化させることは出来る

…だが微々たるものだ

私は新陳代謝をある一点に絞って
爆発的に早くする方法を開発した

これが世に出れば
女性の肌はみんな美しくなるだろうし
内臓も若々しく保つこともできる
ひょっとしたら平均寿命も伸びるかもしれない
難病といわれるものも治る手立てが見つかるかも

まだまだ実験段階だ
すぐに様々な認可が下りるわけではない
だからお金を持っているやつらに
そっと近づいて耳元で囁く

健康な肉体がお金で買えますよ、と


posted by 華涼紗乃 at 17:20| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"歓迎"

大きく手を広げて
さあ!飛び込んでいらっしゃい!なんて
きっと昔は柄でもなかったんだろうけど
今は何かもう条件反射的みたいな

包み込んで甘やかして
離れられなくしようと
思ったわけではないのだけれど
求めるものが透けて見えたら
応えるのはたやすいことだから

まあ私も流されてるだけなんだけど

思うに愛情というものは
言葉と態度の積み重ね
こういうこと言うってことは…
こういうことしてくれるってことは…
そう想像できるから

でもわりと感情だけじゃなくて
その場のノリでとか、反射でとか
あんまり単純じゃないことは
自分でも良くわかってきた

とりあえず打算で
歓迎しておこうと思う

…なんて照れ隠しかな
posted by 華涼紗乃 at 17:19| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月29日

"ハンター"

ものすごくドキドキしている
これから何が繰り広げられるのか
今までのイベントも見てきたし参加もしてきた
だから流れやだいたいの予測はついているけど

それでも
がけっぷちに追いつめられているような
そのくせものすごく楽しみなような
心の中がぐちゃぐちゃだ

今日からネット上で行われるイベントは
簡単に言うと「人探し」だ
一枚の顔写真を公開し
どこの誰でどんな人物か探し出すゲーム

ネット以外のツールを使わず情報のみで
どこまで絞り込んでいけるか競う
今回の対象者が「僕」だ

対象者は嘘も真実もごちゃ混ぜになって
様々な情報をネット上で拡散されることになる
それがリアルまで普及するのは時間の問題だ

一歩間違えば人生が転落することもありうる
そのため巨額の報酬が支払われる
ハイリスク・ハイリターンの商売だ

今から世界中のハンターたちが
僕を獲ろうとネットの海を渡ってくる
大騒ぎになるこの世界で
自分の世界がどんなふうに狂っていくのか
ものすごく楽しみだ

posted by 華涼紗乃 at 18:26| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"原作"

ひどい改悪だ
誰がこんな風にしてしまったの
私の選択は間違ってなかったはずなのに

今ごろ私はバリバリ働いていたはず
恋愛や結婚に目もくれず
同期の男性と肩を並べ
プレゼンテーションや会議を慎重に進め
手ごたえの感じる瞬間を求めて
契約をいくつも成立させている
そんな女性になってるはずだったのに

何で日がな一日会社の片隅で
薄暗い倉庫とデスクの往復のみが仕事

こんなの原作とキャラしかあってない
ひどい改悪じゃないの!

こうなったらもう一度
書き直すしかない
原作を一から
今度こそ改悪されないように
一分の隙も与えない

一瞬も気を抜かない
動かなくちゃ何も変わらないのは
痛いほどわかったから
posted by 華涼紗乃 at 18:25| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"買い取り"

A4版厚さ3cmの冊子を渡された
一週間の間にこれを熟読され
ご納得された上でもう一度お越しください

覚悟を決めてきたのに
何だか拍子抜けした気分だ
そんなのはどうでもいいから
早く買い取ってくれといいたかったが
それを許してくれそうにない雰囲気だった

私が売ろうとしたのは感情
負の感情だ
ムカつく、イライラするなどと
いう感情に振り回されて
人生が全然うまくいってない
それを感じなくなれば
きっともっと落ち着いた気持ちで
生きられるに違いないと思ったのに

世間的には認められていない
感情を売り買いするなんて
でも実際これを試した人はいて
人生ゆったり過ごせるという話も聞いた

賭けてみようと思った
私だって人並みに幸せくらい欲しい

店からの帰り道
やたら重い冊子を抱えて家に帰る

ぺらぺらとめくってみると
そこここに衝撃的な写真、言葉の数々
いつのまにか正座して
冊子を読みふけっていた

感じるというのは警告なのだと
守るためにあるものを失うことは
本当に覚悟がいるものと知った

よく…よくかんがえなくてはいけない
捨てることにも未練はまだある
一週間、それだけあれば考えられる
時間が必要な意味がようやくわかった
posted by 華涼紗乃 at 18:24| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月22日

"圧倒的"

諦めなければ
いつか何とかはなるもんなんだな

どんな不可能なことも
「諦めない」という原動力さえあれば
どんなに遠回りでも
どんなに高い壁でも
いつかはそこへたどり着けるんだな

だから「諦めない」ことこそが
何よりも一番難しい
モチベーションを保ち続けるためには
たくさんの誘惑に打ち勝たないと

どうせダメだと思うかもしれない
他の楽しいことに目が奪われるかもしれない

けれど
自分の生きる道はそれしかないと
心に何度も言い聞かせ
身体に何度もムチをうち
圧倒的な強さを持って自分を動かす

君を見ていてそう思ったよ
笑顔でいつも楽しげに語る内容に
救いは何一つなかったけども
君にとってはそれが
心から満足のいく結末だったんだね

手を合わせて祈る
安らかになんて眠れないだろうけど
せめてあの笑顔のままで
posted by 華涼紗乃 at 18:19| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"非暴力"

ズシンと拳から腕に衝撃が走る
叩いているという感触
殴っているという実感
心地よすぎてクセになりそうだ

叩かれれば痛い
殴られれば悲しい

だから暴力をふるってはいけません
人にやられて嫌なことはしちゃいけない
想像力があるんだからわかるよね

でもこの心の奥底から沸き立つ
暗く、熱く、濃いよどみを
私はどうすればよいのだろう

人は自分と同じ常識を持っている
だから自分が叩かないかわりに
自分が殴られることはない
そんなふうにあぐらをかいていると
私みたいになってしまう

守る術を持つための暴力はまた別の話

あの瞬間に
ショックで心が凍りつくことがなければ
一矢でも報いれたのに

一瞬の絶好のチャンスに
暴力を振るうことをためらう心さえなければ
痛い目を見せてやれたのに

ダンッ、ダンッ、ダンッ…

今の相手はサンドバックだけど
いつか必ず
心の奥底に溜まったものを
全部ぶつけてやる

暴力はダメ
自分を守ることなら良いでしょう
posted by 華涼紗乃 at 18:19| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"善悪"

善いことと悪いこと
教えてもらって人は大きくなるけれど

その簡単な教えは
いかに善を行うのが難しく
いかに悪を無くすのが不可能か
日に日に思い知る

全体的にふんわりとした共通認識はあるものの
言葉にするとあっという間に争いに発展する

我慢すること 
思いやること
譲り合うこと

考えれば考えるだけ深みにはまる
だからとりあえず逃げておく

とりあえず笑っておく

笑顔でいれば大丈夫
そして周りも笑顔なら大丈夫…よね?

posted by 華涼紗乃 at 18:18| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月15日

"クロゼット"

クロゼットは物をしまうところ
洋服とか帽子とか小物とか

…そして鞄とか

クロゼットの奥にふたつのボストンバック
ひとつは茶色くて
ひとつは真っ黒で
デザインはどちらも
どこにでもある地味なもの


二人で住むときに決めたこと
クロゼットにしまったボストンバックは
絶対に開けないこと
もしお互いに何かあったら
中身を見ずに処分すること

開けちゃいけない鞄がある
知っちゃいけない真実がある
何もかも赤裸々になんて
それこそが嘘だ

誘惑は付きまとう
クロゼットを開けるたびに
自分のバックを開くたびに

中に何が入っているのだろう?
現金?死体?
人には言えない趣味のもの?

二人とも頭をひとつ振って
いつもその誘惑を追い出す
自分の鞄を開けられたら…
それを考えただけで背筋は凍る

出来るだけ見ないようにして…
ゆっくりと扉を閉める

パタン…
今日も秘密が守られた音がした


posted by 華涼紗乃 at 20:59| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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