2005年09月25日

“ぬばたまの夜”

黒。
すべての色を収束させたら黒に行きつく
黒にもいろいろあるけれど
闇に同化しそうなほどの
見事な君のその

髪。
何故にあんなに美しかったのに
あんなに気高かったのに
まるで絹糸のように強くしなやかで
あなたはそれを自慢していたのに
どうして

今宵。
自分のすべてを変化させたいからと
鋭利な刃物で切り落としてしまったの
その髪を気に入っていた私はもう必要ないんだと
言わんばかりのひどい裏切り
もう

月。
光が満ち溢れているところでさえ何も見えないよ
以前なら光を受けて輝いた君の姿で私は
君の後ろを間違いなく進めたはずなのに
すべては

夢。
幻のようなものだったんだね
髪をそぎ落とすことで
私にきっぱりと別れを告げた君は
全身を闇色に染めて私から遠ざかる

ぬばたまの夜に

君のすべてが同化して
夜がすべてをかき消そうとするのに

だけど切りたての髪が
隠しきれない白いうなじだけが
いつまでもいつまでも

脳裏に焼きついている



posted by 華涼紗乃 at 22:05| Comment(1) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
返歌 夜…に因んで短歌一首です、

夕闇と共に我が家へ訪れし君の手に触れ颯 (さ) と眩 (くるめ) かふ

Posted by 井上勇 at 2017年08月24日 00:49
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