2013年06月12日

『サークル』

 三つ子の魂百まで、とはよく言ったもの。
 幼稚園に入るか入らないかの頃から始まったオカルト好きは留まるところを知らず加速。
 小中高を他人には理解され難い趣味と共に乗り越えた私は、大学に入ってからも『都市伝説同好会』なる怪しげなサークルに籍を置き、家族や友人達を絶賛呆れさせている。
 小さな頃の私の胸を躍らせた、ネッシーもミステリーサークルも妖精写真も、人為的なトリックであると解明されてしまったけれども。
 世の中にはまだまだ科学では説明のつかない不思議なことが大量に存在する。
 百の内の九十九がインチキや勘違いであっても構わない、たった一つでも本当に本物の超常現象があるのならば、私は一生に一度でいいからそれを目撃してみたい。
 自分でもわけのわからない情熱につき動かされ、数多の心霊スポットを訪ね歩き自己責任系の怪談を読み漁り、ときとしてリアルな危険に身を晒しながらも怪異を不思議を求め続けたけれど、望んだものは手に入らない、入る気配もない。
 そんな私が今日やって来たのはとある駅、南口の東側、『故障中』の貼り紙がされた青い扉のコインロッカー。噂によるとこの扉の向こう側には、一生に一度だけその人の運命を変えられるモノが隠されているらしいのだけれど……。

「……なんか心苦しいけど、ああいう知的に前向きで楽観的なタイプはパスしよう。面白そうではあるけれど、一度存在を知られたが最後延々とつきまとわれそうな気がするから」
「あーいうタイプが『枠』の外に出たらどういう存在になるんだろうなあ。あのテンションのまま無限を生きたりするのかねえ?」
「自分自身がある意味怪奇現象になっちゃうワケだから、嬉しいのかそうでもないのか……わからないけど、とにかく面倒くさそうなのは確かだと思う」
「じゃあアレはパスということで。よその街から電車乗り継いで来てんのに気の毒なコトだなぁ」
「かわいそうだけどねぇ」
posted by 樋川春樹 at 02:22| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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