2013年04月24日

『ガイド』

 道路の一角に、うず高く花束や果物や、お菓子が積み上げられている場所がある
 祈りの言葉を繰り返した手書きのメッセージ
 かつてこの場所でたいへんな悲劇が起きて、大勢の人が犠牲になったのだと、
 その事件が起きたときにはまだ学生だったと思われる若いガイドが解説を始める

 人々の悲しみは今も癒えず、怒りも憤りも薄れることはなく、
 その場所には何年も経った今でも新しい花が手向けられる

 他者を傷つけ殺めた時点で彼らの正義はいかなる意味においても失われた
 『枠』の内側にいる限りはそのやり方は絶対に受け容れられない
 外側から世界を巻き戻し続ける自分よりも彼らの方が真剣に世界のことを考えていたとしても
 牢につながれ糾弾されているのは彼らで
 安穏な空の下で平和に観光旅行などしているのは自分の方で
posted by 樋川春樹 at 02:03| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。