2013年03月20日

『いっさい』

汝等此処に入るもの、
いっさいの希望を棄てよ。

その有名な文句は、
地獄の門に記されているという。

希望を棄てよ、
この先は絶望の都。
救いもなければ、
出口もない。

深い憂いに満ちたそのフレーズを、
それなのに心地よく感じてリピートする自分がいる。

この先は地獄、
であればもう二度と、
不確かで身勝手な希望などというものに、
情けなくもすがらなくとも良くなるのだ。

希望があるから人間は未来に期待を賭け、
より良い明日を信じて、
叶わぬ夢を見続けることになる。

底の底にまで落ちてしまえば、
もう地面に叩きつけられる心配はしなくて良くなると言うのに。

永劫に続く苦しみでも、
束の間しか持続しない幸福に比べれば、
まだしも誠実だろう。

其処は地獄の門、
地獄への入り口、
すなわちこの世界からの出口だ。
posted by 樋川春樹 at 15:40| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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