2013年02月27日

『キャップ』

 変装なんて必要ない、けれどたまには『気分』を優先するのも良いだろう。
 無駄な行為は好きじゃないけれど、それを人生から完全に閉め出せないのが人間らしさ。
 目深にかぶった黒いキャップ、某国の特殊機関の人間が着用するための公式のもので、その国で一般人が身に着けると処罰の対象になってしまうのだとか。
 いまどきのネットには何でもあるとは言え、わざわざそんなものを取り寄せる必要はないのに。これもまた、意味のない行動だ。
 余計な手順ばかり積み重ねて、迅速に辿り着くべき目的地からは遠回りをして。
 一連のそういった行為を以前ほど不快に思わなくなっているのは、そうすることに慣れたからか、あるいは本質に関わらない事柄をこそ愛する人間の心に自分自身が馴染んできたからか───。
 苦笑して、とりとめのない思考を打ち切る。
 与えられた使命を成すことだけを期待されている自分達が、人間らしいものの考え方に馴染んだからといって、どんな益があると言うのだろう。

 優しいあのひとはもしかしたら喜んでくれるかもしれない、けれど。
posted by 樋川春樹 at 03:49| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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