2012年11月28日

"らせん階段"

新しいリラックス方法だと偽って
君を呼び出して長椅子に寝かせた

あとは僕の質問に答えさせるだけ

あなたは長い螺旋階段を降りています
長く長く階段の先は闇に沈んでいます
一段一段ひたすら降りていってください

…さあ、あなたはどんな気持ちですか?

「…怖い、暗いし、疲れてきたわ」

そのまま休まず降り続けていると
螺旋階段の壁に
いろいろな風景が映りだしました
さてそれはどんな風景

「そうね…小さい頃のときのものが多いわ」

具体的に。

「七五三のときの着物を着た姿。
 中学校の入学式。
 高校の文化祭。
 大学の卒業論文のとき。
 初出勤のとき…」

彼女の話はとめどなく続く

それがつい三日前のことになったとき

ストップ!
あと20段で螺旋階段が終わります

「え…?もう終わるの?」

ええ、怖くて、暗くて、疲れる
階段はもう終わりますよ
良かったですね、あなたはほっとします

「え、ええ…。
 そうね、何だかゆっくり眠れる気がするわ」

一段一段降りていってください
さあ、あと10段
9、8、7、6、5、4、3、2、1…

彼女は大きく深呼吸をして、そして静かになった

口元に手のひらを近づける
呼吸は感じない
首元に指をあてても
脈を感じない

螺旋階段は人生の象徴
朝昼晩、春夏秋冬
繰り返してるだけに見えてもそれは違う

壁に映ったのは走馬灯の代わり

眠るように旅立てて良かったね
これで永遠におやすみ
posted by 華涼紗乃 at 20:30| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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