2011年04月24日

『最悪』

 ここが一番下、だなんて、甘過ぎるにも程がある認識だった。
 我ながらその楽観的なものの見方に、笑いがこみ上げてくるぐらいだ。
 泥にまみれても、血にまみれても、暗い夜の底に転がっても、起き上がれないまま未来を見失っても。
 それはまだ『最低』じゃない。
 それはまだ『最悪』じゃない。
 何一つ救いなどないこの地獄では、虫けらのように踏みにじられ殺されることさえもが、これで終わりという褒美であるかのような。
 現実はいつも一番低くて一番悪いもののさらに下を見せつける。

 生きていたくなんかないのにそれでも死ぬのが怖すぎて、無様に足掻く人間達は。
 それがあるから苦しむものを、なのに捨てるのがおそろしくて、おそろしくて。
posted by 樋川春樹 at 18:23| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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