2011年02月22日

屋上

寄り添っていた

世界から二人だけ切り出されたように

なにもいらないから
なにも見えないから

あなただけここにいて

防水膜のひび割れたモルタルが
二人の体温をどれだけ奪っても

構わないからここにいて
朝なんて来なくていい

誰にも邪魔されず
寄り添っていられたらいい

背中の下にはたくさんの人たち
身体の上には輝かない空

みんな名前も知らない

暗い階段をじゃれあうように登って
倒れ込むように開けた重い扉

ここがどこかなんて
そんなの知らない

伸ばした手は

あなたと

冷たい柵とを掴んで

本当に欲しいものは

こんなものじゃないのに



posted by 葉瀬尋 at 21:04| Comment(0) | ひろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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