2013年02月06日

【指令】第14週:華涼→樋川

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ごきげんよう、樋川嬢

さて、今回の任務の内容を伝える。
以下の三つのタイトルについて文章作品を完成させて欲しい。

『衝撃』
『すかさず』
『ジュース』

・期限は2013年2月13日23時59分までとする。
・任務完了後、「@utanarahi」まで必ず報告をすること。

なお、次回の指令は2013年2月11日0時より、期限までに発表する。

では、任務の成功を心より祈る。


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posted by 華涼紗乃 at 19:51| Comment(0) | 指令書。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【指令】第14週:樋川→華涼

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ごきげんよう、華涼嬢

さて、今回の任務の内容を伝える。
以下の三つのタイトルについて文章作品を完成させて欲しい。

『抜け道』
『メニュー』
『容疑者』


・期限は2013年2月13日23時59分までとする。
・任務完了後、「@utanarahi」まで必ず報告をすること。

なお、次回の指令は2013年2月11日0時より、期限までに発表する。

では、任務の成功を心より祈る。


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posted by 樋川春樹 at 19:51| Comment(0) | 指令書。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ペナルティ』

 視界が未だに暗い、左足を引きずった状態でしか歩けない、姿勢をまっすぐに保てない。壁に手をつこうとして初めて気づいた、肩のすぐ先から左腕をまるごと何処かに落として来てしまったようだ。
 一時は意識が数秒単位で途切れて世界全部にノイズがかかったように認識されるぐらい消耗していたけれど、その症状はもうほぼなくなった。
 どれだけのダメージを受けようとも、どれだけの怪我を負おうとも、この身体はそれを自ら修復する。うっかり無くしてしまった腕も、二十四時間も経てばまた新しく生え変わる。明日『マスター』と顔を合わせる予定はないから、次に会うときまでにはすっかり元に戻っている計算だ。
 会えないのは寂しいし悲しいけれど、この惨状を見られて不安がらせたり怖がらせたりせずに済むと思うと我慢しようという気になれる。
 油断していたワケではないのに傷を負い過ぎた。『木偶』の数が想定以上に多過ぎた。死ぬとも負けるとも思わないし予想外の出来事が起きても焦ったりもしないけれど、いささか面倒な事態だった。
 『仕事』がなかなか終わらず『マスター』のところに帰れない時間が長くなると、なんだか自分が理不尽なペナルティを受けているような気分になってくる。いわれなき罰を与えられているような。痛みも恐怖もないまがいものの生命にとって『木偶』と戦い続ける日々はどれほどの意味も持たない。ただ、あのひとと離れた場所にいることだけが、つらい。
 無くしたのが足の方でなくて良かった、と頭の片隅で考える。自分の身体に無頓着なのは良くない、と仲間に説教されたことを思い出す。傷を負う、怪我をするということをきちんと恐れないと、『仕事』をするうえで妨げになりかねないと。そう言われてもぴんと来ない。でも、『マスター』が泣き出しそうな顔をするのを見ると、可能な限り人間と同じように振る舞うようにしよう、と───。
 『木偶』を壊す感触。自分達が存在する意義。あのひとのそばにいないとき、自分が認識する世界は灰色の鈍い膜に覆われていて、ずっと遠いところにある。
posted by 樋川春樹 at 19:49| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ぶつくさ』

 人間にとって自分が100%自分でいられる幸福な時代は遅くとも生まれてから数年で終わり、ものごころつく前に人間は社会の中に組み込まれて、自分が自分で居続けることはほとんどの場合無用のトラブルしか招かない罪悪であることを教え込まれる。
 行きたくない場所に行き、好きでもない人達と、やりたくもないことをする、そんな日々が延々と繰り返される。おそらくは、いつか寿命が終わるその日まで。
 ぶつくさ文句を言い合いながらも、たいがいの人間は大きく逸脱することもなくそんな毎日をやり過ごし、数十年にも及ぶ一生を不本意なままに終える。
 たまには幸せな時期もあるかもしれないけれど、冷静に振り返ってみればやりたくともやれなかったことはあまりに多く、本当はやりたくなかったのにやらされ続けたこともまた、あまりに多い。
 それでもそのように生きることだけが平穏に人生を閉じる方法なのだとしたら、そもそも何故生まれる必要があるのだろうと。そんな抑圧された状況でただ息を潜めて時間が経つのを待っているような、そんな一生にどんな意味があるのだろうと。

 理不尽な生に対する疑問に押し潰されそうになって、足掻いて、もがいて、そうして飛び出した『枠』の外で、幾千幾万もの人間の生きざまをただ傍観することを続けて。
 ようやく理解することが出来た。不平不満にまみれながらも続いていく日常の尊さを。誰もが自分の好きなことばかりしていたのでは人間は生きてゆけない。その中にいたときには見えないし気づけもしないつながりの中で、人間は生かされているのだと。
 やっと気づいたそのときには、この身は人ならざるものに変わり果て、もはやどのようなつながりさえも必要とせずに生きられる、いびつな存在へと成り果てていたのだけれど。
posted by 樋川春樹 at 19:48| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『蝋燭』

 雨がやんでくれて良かった、風もなくて良かったね、私が気にするようなことじゃないんだけど、それでもやっぱりね。

 やわらかなちいさな炎があちこちで揺れている。
 まわりを見回しながら立っている彼女の手にも、蝋燭のひかり。

 いいよね、こういう雰囲気。……本当はいいものじゃないんだけど、悲しいものなんだけど、……でも、いいと思う。いいと思うよ。

 答えを必要としないままつぶやきを続けて、それから彼女は持っていた蝋燭をそばにある無数の蝋燭達と同じところに置いた。数歩下がってしまえば、もうどれがさっきの蝋燭なのか判別がつかなくなる。

 全部何本あるんだっけ? ───いや、いいか、別に知らなくても。悲しい数だものね。綺麗だけれど、つらいよね。これみんな亡くなったひとの……。

 オレンジ色に優しく染まった彼女の顔。すいと目を細めて、次の瞬間には吹っ切ったように頭を振る。

 迷ったけど、やっぱり今日来て良かったね。来ても来なくても同じだって思ってたけど、全然違うよね。……忘れちゃいけないんだよ、こういうことは。多分。わかんないけど。……でも、いいと思うんだ。

 わずかな風に、儚い炎が揺れる。
 地上に落ちた星達のように、数えきれないほどの数の蝋燭が、小さな光を放っている。
posted by 樋川春樹 at 19:47| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"結末"

今日は必ず告げようと決意して
布団に潜り込んだ

夢の世界にはもう行かない
それを彼女に告げようと思う

何度も悩んだ
やっぱり世界そのものを変えるというのは
長いこと現実にうんざりしていた者にとって
とてもとても甘美な誘いだ

だけど
まだ試していない可能性が多い
まだ見限るには早いと結論付けた

現実ではとりあえず
180度の転換を目標にする
そうしないと
夢の世界を捨てた意味がない

夢の世界で目を覚ましたら
シチューの良い香りと
ふくよかなママさん
ママさんは私の顔を見て察したようだ

もうここへは来ないのね
はい、向こうで頑張ります
そう…わかったわ、元気でね
ありがとう…本当にありがとう

こらえきれずに涙があふれた
そんな私を見てママさんは驚いて苦笑いを浮かべる

あなたはどれだけお人よしなのかしら
さ、はやく眠りなさい
ここに来ないと決めたなら長居は無用よ

さようなら
もう二度とここに来ちゃだめよ
おやすみなさい

今度は本当の良い夢を
posted by 華涼紗乃 at 19:44| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"料理人"

今日も畑に出る

野菜が鳥や獣に食べられていないか
病気にかかっていないかチェックする

そして肥料をやる
透明で赤い液体
光り輝く木苺を元に作った特殊なもの

野菜はこれを吸うと
向こうの世界の味により近くなり
そしてこちらの世界の中毒性も増す
シチューに入れるには必須

向こうの住人を迎え入れ
シチューをご馳走し
この世界の理を若干脚色して伝え
木苺を見つけるように仕向ける

そんな私たちの仕事をみんなは料理人と呼ぶ
何よりこの仕事が成功する最大の鍵は
シチューの味にありといわれているから

私は普通より少し上くらいのランク
最近は成績不振が続いているけれど

あの子もとっても喜んで食べてくれていたのに
きっともうこちらの世界への興味は失っていそう

野菜もシチューも愛情を
たっぷりこめているけれど
罪悪感も混じってしまっているのだろうか

また新しい人間を探さなくちゃ
それを考えると少し憂鬱になるけど
生きていくために仕方ない
仕事は仕事だから
posted by 華涼紗乃 at 19:43| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"雑誌"

姉さんが雑誌を必死で読んでいる
女性誌でバレンタイン特集!と銘打たれている

たかだかチョコレートを受け渡すだけだが
手作りがいいのか
こだわりのものを買ったほうがいいのか
本命用、義理用、予算にラッピングなど
悩みは尽きないらしい

やれやれ、大変なこった

でも今年は姉さんは彼氏に
何作るか悩んでるんだろうな
そんなに悩まなくていいと思うけど
自分の彼女にもらったら
どんなもんでも喜ぶんじゃないか?
だって自分で選んだ大好きな人なんだろ?

俺はもちろん関係ないので
毎年のように母さんのケーキを期待する
今年は手作りか買ってくるのか
思うことはそれくらいだ

姉さんが雑誌をほおり投げて
今度はレシピ本を持ってきた

どれ食べたい?!
いや俺彼氏じゃないし…
いいから選んで!
えー、面倒だな、じゃあこれー

選んだのはフォンダンショコラ
いや、名前がかっこよかったから…
ふむ、これか!わかった!
姉さんはそういうとほおり出した雑誌に戻った

端なんかしっかり握りすぎてヨレてる
雑誌もあそこまで読み込まれたら本望だな
posted by 華涼紗乃 at 19:42| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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