2013年01月30日

【指令】第13週:樋川→華涼

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ごきげんよう、華涼嬢

さて、今回の任務の内容を伝える。
以下の三つのタイトルについて文章作品を完成させて欲しい。

『雑誌』
『料理人』
『結末』


・期限は2013年2月6日23時59分までとする。
・任務完了後、「@utanarahi」まで必ず報告をすること。

なお、次回の指令は2013年2月4日0時より、期限までに発表する。

では、任務の成功を心より祈る。


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posted by 樋川春樹 at 23:00| Comment(0) | 指令書。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『キングダム』

 時間は巻き戻せないし、あったことをなかったことにも出来ないけれど
 結局のところきみはどうするべきだったんだろう?

 中途半端がいけなかったと思うのかい?
 もっとたくさん傷つけておけば、殺しておけば良かったと?
 この期に及んでそういうことを本気で考えているのかい?

 申し訳ないけれどその方向にはどれだけ行っても正解はないんだよ
 そういう方向を見続けることしか出来なかったからきみは失敗したんだよ
 馬鹿なきみが唯一とりえた正しい行動は
 頭の中の素敵な王国にひきこもってそこから一歩も出ないこと
 簡単で単純で、何の労力も技術もいらない、ただそれだけのことが
 きみを含めたどれだけの人数にとって最良の選択だったことか

 わかってる、きみは自分を変えたかった、世界に関わりたかったんだよね
 色々な鬱屈がきみの精神を痛めつけて、そのまま生きていることなんて到底出来なかったんだよね
 だからきみのかわいそうなアタマで練り上げたプランに従って、世間がきみのことに注目せざるを得なくなるような大事件を起こしたつもりなんだよね

 ねえ、だからさっきから尋ねているじゃあないか?
 世界は変わったか、と。
 自分は変わった?
 きみは救われたの?

 ほらまた何も答えられずに黙り込んでしまったね
posted by 樋川春樹 at 22:58| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『一向に』

 根本的に誤った答えに安易にも飛びついてしまったから
 きみは金輪際ラクにもなれないし今後救われることもない

 確かに世界はきみにとってつらくて苦しくて理不尽なことばかりで最低最悪のところだったけれど
 それでもなおここには絶対に守らなければならないルールがあったんだよ

 弱くて愚かなきみは取り返しのつかない罪を犯してしまった

 そう、きみはその罪をうまく隠して逃げおおせることも出来なかったほど、弱くて愚かだから
 ちゃんとした『枠』の中で生きている間じゅう様々なことが一向にうまくいかなかったのもうなずける

 きみは自分が大それたことをしでかしてしまったと思っているね
 これだけのことをしてしまったのだから
 きっと自分は追及され詰問されそしてついには理解されるはずだと
 望んでも得られなかった他者からの関心を、語る機会を手に入れられたと思っているね

 ところが感情論を排した客観的な目で見るときみがしたことは全然大したことじゃない
 残念だけれどきみの話をじっくりと聞いて理解しようとしてくれる人間なんて出て来たりしないんだよ
 きみはここにおいても掃いて捨てるほどいる似たようなことをした連中の中の一人に過ぎないから
 きみだけが特別扱いされるような場所はもうどこにもないんだよ
posted by 樋川春樹 at 22:57| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『開封』

 どきどきした?
 わくわくした?
 クリスマスの朝に、枕もとに置かれていた大きなプレゼントの箱を開けるときみたいに胸がはずんだ?
 ありったけの勇気をふりしぼって書いたラブレターの返事をついにもらって、それを開けるときみたいな?
 高揚はあった?
 ときめきはあった?

 ねえ、世界は変わった?

 それまで閉ざされていたページを無理に開いたね。
 絶対に読んではいけないページだったのに。
 それなのに好奇心をおさえきれなかったんだね。
 自分にはそのページを読む資格が、自分こそがそれを読むに値する人間なのだと、信じてしまったんだね。

 アタマの中で綺麗に練り上げた最初の『計画』では、一体何人殺すつもりだったの?
 どれほど華々しく、どれほど雄々しく行動出来る予定だったの?
 とっておきのあれやこれやを、いよいよ実行に移した感想はどうだった?
 自分のために用意されていたと−愚かにも哀れにも思いこんだ、特別な贈り物のリボンをほどいてみた気持ちは?

 ねえ、どうして「それでも何も感じられない」なんて、どうしようもないことを考えているの?
posted by 樋川春樹 at 22:56| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【指令】第13週:華涼→樋川


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ごきげんよう、樋川嬢

さて、今回の任務の内容を伝える。
以下の三つのタイトルについて文章作品を完成させて欲しい。

『蝋燭』
『ぶつくさ』
『ペナルティ』

・期限は2013年2月6日23時59分までとする。
・任務完了後、「@utanarahi」まで必ず報告をすること。

なお、次回の指令は2013年2月4日0時より、期限までに発表する。

では、任務の成功を心より祈る。


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posted by 華涼紗乃 at 17:53| Comment(0) | 指令書。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"メール"

一文字一文字、綴る
あなたとはこの文字の海で出会ったから
今でも大事な大事な
私たちの想いを伝えあうツール

でも長く一緒にいると
さすがに愛の言葉の種類も尽きて
同じ文句ばかり並ぶようになって
絵文字で変化をつけるけど
それも限界が近づいてる

今日の大好きと昨日の大好きは
本当は微妙に違っているし
今日の愛してると明日の愛してるは
絶対に違うはずだもの

ビミョウなニュアンスは
会って目を見て
触れて唇で
伝え合うものでしょう?

だから
私から言うのもなんなんだけど
そろそろ一緒に暮らさない?

メールなんかいらないくらい
あなたのそばにいたいから


posted by 華涼紗乃 at 17:46| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"起死回生"

日常はつまらない
この世界はつまらない
毎日同じことの繰り返し

生きていくのは面倒くさい
朝起きるのも、仕事に行くのも
何もかもが面倒くさい

生きている意味を見つけられなくて
何にもやる気を見いだせなくて
ただ最低限のことだけをして
毎日やり過ごしていく

そりゃあ世界は薄汚れて見えるはず
私の目が曇りすぎている

夢の向こうの世界は
新鮮な刺激に満ち溢れていて
それはそれは楽しくて
それはそれは面白くて

これは私の人生における
起死回生のチャンスだと思ったのだ

でも夢が現実になったらきっと
また同じことの繰り返しだ

結局は世界が悪いのではなく
自分の感覚しだい

自分で探せば
楽しいことはいくらでも見つけられる

私はここで生きていく
もう一度、ここで
posted by 華涼紗乃 at 17:45| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"没収"

高校教師の私は
今年度、生活指導の担当になった
生徒に恨まれるだけのこの仕事は正直気が重いが
風紀委員が優秀なので助かっていた

しかし授業中に
キラキラとした着うたが流れた
生徒指導でなければ
気をつけろよ、次鳴ったら没収する
という方針だが今回はそうはいかない

今、鳴らしたやつ携帯持って前に出て来い

出てきたのは
このクラスの女性の委員長だ
珍しい、とても珍しい
クラスがざわめくほどだ

教壇の前にしっかりと立ち
私を見上げるその顔はとても整っていて
ファンも多いと聞く

委員長が珍しいな、今度から気をつけるように
これは放課後まで預かっておくから
職員室に後で取りに来なさい

そう言うと
彼女はぎこちなくうなづいて
スマートフォンの画面を上にして私に差し出す

受け取ろうとして気づいた
ロック画面の壁紙…

『先生、私と付き合ってください。』

な、な、な、な、なんだと?!
思わず、口が空きっぱなしでフリーズしてしまった

先生、どうしたのー?
他の生徒からの言葉で我に返った
眼鏡を直すことで一呼吸おく

スマートフォンを
ひったくるようにして受け取ると
早く席に着きなさい、と顔も見ずに告げて
黒板のほうへ向き直った

告白?!
いや、いたずらか?!
何にせよ、斬新な方法で驚かせやがる…

心の奥底で冷や汗をぬぐって
とりあえず授業に戻った

posted by 華涼紗乃 at 17:44| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月23日

【指令】第12週:華涼→樋川

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ごきげんよう、樋川嬢

さて、今回の任務の内容を伝える。
以下の三つのタイトルについて文章作品を完成させて欲しい。

『開封』
『一向に』
『キングダム』

・期限は2013年1月30日23時59分までとする。
・任務完了後、「@utanarahi」まで必ず報告をすること。

なお、次回の指令は2013年1月28日0時より、期限までに発表する。

では、任務の成功を心より祈る。


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posted by 華涼紗乃 at 20:49| Comment(0) | 指令書。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"チケット"

私とあなたは恋人同士
だけどそれ以上には決してなれない

愛を確かめ合うことも
愛を囁きあうことも
ずっと傍にいることも出来るけど
社会的には何の約束も出来ないの

それを悲しく思ったことは
一度や二度ではなくて
選ばないのではなく選べないことに
何度もがっかりしてきたけれど

でも
それは仕方がないのだから
私はあなたに出来るだけのことをする

一人の人生をこんな風に狂わせてしまって
私のわがままにつき合わせるのだから
あなたを幸せにすることに
妥協なんか絶対にしないわ

その約束の証がこのチケット
海外ならまだ二人生き易いと思うの
だけど受け取るか本当に
よく考えて決めてちょうだい
いつもみたいに勢いで
突っ走ってしまってはダメ

あなたは私のように一人じゃないんだもの

言いたいことは何度も復唱したけれど
あなたに告げるときは
本当に手がぶるぶると震えた

大好きだから
愛しているから
なくしたくなんてないから

手を離して
あなたから握ってくれるか試す
こんな簡単なことさえ出来ないくらい
私はあなたが好きなんだわ

あなたはびっくりして
その可愛い目を真ん丸にしていたけれど
言葉を飲み込んだら
ひとときの躊躇もなく

そのチケットを
まるで大事なもののように受け取った

人生が狂ったのはお互い同じこと
あたしはそれが運命だと思うのよ、なんて
最高の笑顔で言いながら
posted by 華涼紗乃 at 20:47| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"見通し"

ぱちり
目を覚ました

いつものことながら
目覚めはすこぶる良い
窓から射しこむ光もいつも通り

でも今日は視点を変えることにしている
木苺を探しに行くのは二の次
この世界を出来るだけ
客観的に見るようにしなければ

キッチンへ向かうと
優しく笑顔のママさん
美味しいスープを出してくれた
今日は見つかるといいわね、木苺
適当に笑顔で相槌を打つ

よく見るとエプロンの端っこに丸く焦げた痕
あれは…そう煙草の痕に似ている
押し寄せる違和感
慌てて目をそらしてスープを食べ終えると
外に飛び出した

街に出ると様々な店が立ち並び
様々な人々が行き交う

活気のあるいい街だと思ったけど
よく見れば
道の隅に座り込むやせっぽちの子ども
人に突き飛ばされるようにして歩く老人
一本路地を入ってみると鉄格子の向こうに
人が足かせをはめられてうずくまっているのが見えた

頭の中で警報が鳴り響く

この世界で私が生きる見通しが立たない
何とかなるなんてあんなポジティブ思考
いったいどこから生まれてきたんだろう

もう一度考え直そう
ここは正念場
ちゃんと天秤にかけて
最良の道を選ばなければならない
posted by 華涼紗乃 at 20:46| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"慎重"

手順は何回も何回も読み返した

数字と上下だけだから簡単だけど
一歩手順を間違えると
せっかくの機会が無駄になってしまう
慎重にボタンを押す

上に上ったり
下に下りたり
止まってみたり

エレベーターなんて人間が作ったものなのに
神秘の世界にいけるなんて
なんて素晴らしいんだろう

これを教えてくれた友達に感謝しなくちゃ

幾度目かの手順で扉が開くと
そこには髪の長い女性がいて
静かに乗り込んできた

これが今までの手順が成功している証
よし、あともう少し

髪の長い女性はぞっとするほど綺麗で
真っ黒な瞳で私を見つめ口を開いた

人を信じるのも大概にして

え?と思うの間もなく
エレベーターの扉が開いて女性は出て行った

手順だとここでは女性は降りない
…間違ってなかったはずなのに

改めてネットで検索して背筋が凍りついた
真似をしてはいけない危険な儀式だったらしい

助けられたんだ
本当に人を信じるときは慎重にしないといけない
posted by 華涼紗乃 at 20:45| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月21日

【指令】第12週:樋川→華涼

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ごきげんよう、華涼嬢

さて、今回の任務の内容を伝える。
以下の三つのタイトルについて文章作品を完成させて欲しい。

『没収』
『起死回生』
『メール』


・期限は2013年1月30日23時59分までとする。
・任務完了後、「@utanarahi」まで必ず報告をすること。

なお、次回の指令は2013年1月28日0時より、期限までに発表する。

では、任務の成功を心より祈る。


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posted by 樋川春樹 at 23:41| Comment(0) | 指令書。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『アイシャドウ』

 アイツらおかしいんだよ、オトコのクセしてみーんな化粧してるの。
 目のトコとか、ポスターでしか見たことないような派手でキツいアイシャドウ、つけてるの。
 カオにもヘンな模様みたいなの描いて、キモチワルいんだよ。
 ベツに怖かったりはしないけどさ、ちょっとオチカヅキにはなりたくないカンジだよね。

 珍しくも裏方仕事を買って出た同行者が偵察から戻って真っ先にもたらしたのは、そんな愚にもつかない情報だった。他に見てくることも覚えてくることもたくさんあっただろうに、一番目につく点にだけあっさりと引きつけられてそれ以外は全部すっ飛んでしまうんだから。そういうのは想定の範囲内だったから特に落胆することもなく聞き流して、こちらから質問を投げかけることで必要な情報を整理してゆく。

 聞き取りの間にもあのフェイスペイントは一体何なのかとうるさくしつこく尋ねて来るものだから、詳しいことはすぐには言えないが、おそらくは魔除け、戦意を昂揚させるための呪術的な意味合いを持つものだろうと適当に答えておいた。本当のところは当人達にしかわからないし、もしそれが先祖代々の伝統であり『こういうときにはそうするものだから』という理由でしていることだとすれば当人達にさえもわからないことなのかもしれない。もしかしたら戦いに敗れて首をとられたときに恥をさらさないように彩りを加えているのかもしれないし、単純に相手を威嚇するための色彩かもしれないのだ。

 もっとも、そのアイシャドウにどのような意味が込められていたとしても、ボク達にとっては何の意味もない。相手にどのような意図があり、相手がどのような行動に出て来るとしても、ボク達はいつでもどこでもただなすべきことをなすだけだ。邪魔になる要素があるのならば徹底的に排除して。これまでそうしてきたように、そしてこれからもそうしてゆくように。
posted by 樋川春樹 at 23:39| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『うっかり』

 誰も自分が死ぬ日を知らないから、今日も昨日の続きだと思って安易に過ごしてしまう。
 今日が終われば自動的に明日が来るものと思い込んで、油断しきって眠りにつく。
 自らがいつか死んでしまう存在であることを、生き物は容易に失念してしまう。
 もっとも、そうでなければ到底正気を保って生きてゆくことなど出来ないのだろうけれど。

 何かをやり残しても、うっかり忘れてしまったとしても、また次の機会にすればいい、取り戻すチャンスは他にもあると思ってしまうから、何度でもミスを繰り返してしまう。
 失敗したとしても取り返しのつかないほどの事態にはならないだろうと根拠もないのに楽観的に思い込んで、今は誤ったとしてもこの先で修正すればいいのだと自分に言い聞かせる。
 おそらくそれが今夜も安らかにベッドで目を閉じるために必要な要素で、ままならないことばかりのこの世界で絶望せずに生き続けるための秘訣なのだ。
posted by 樋川春樹 at 23:38| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『風車』

 からから、からから、と。
 小さく細く、それなのにはっきりと聞こえてくる軽い音を頼りに、ふらふらと足を進める。
 その頼りない音はそんなに遠くまで響くとは思えなかったからすぐに辿り着くと思っていたのに、結構な距離を歩かされてしまった。
 からから、からから、と。
 弱々しくも虚ろな音がそんなに遠くまで届いたのは、あたりに物音を立てるようなものがひとつもなかったからだ。
 見渡す限りの焼け野原に、生きているもの動くものの影はない。
 瓦礫で覆われた大地の真ん中に、ちっぽけな墓標のように突き立ったおもちゃの風車が、プラスチックで出来たその羽根を風に吹かれるまま回しているだけだ。

 それは不思議な光景だった。
 天をつくような高さのビルが見る影もなく倒壊した後の同じ大地に、チャチな子どものおもちゃが凛と立っている。
 あらゆる全てを焼き尽くした炎が過ぎ去ったばかりだというのに、プラスチックの羽根も木製の軸もわずかに焦げてさえいなかった。
 からから、からから、と。
 乾ききった風が吹くに任せて、勢いよく羽根を回し続ける。

 祭りの屋台に並べられているような雑なつくりの安っぽい風車だ。
 これを手にして喜ぶのはせいぜいが幼稚園に上がる前までの、本当に幼い子どもだけだろう。
 頭より高く掲げて風が吹くのを待ってみるか、それとも手に持って元気良く走り回ってみるか。
 そんなことで悩まなくとも、遮るもののなくなったこの地に風はいくらでも吹きつけてくる。
 奇妙に寂しい音を立てて、風車はいくらでも回り続ける。
posted by 樋川春樹 at 23:38| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月16日

【指令】第11週:華涼→樋川

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ごきげんよう、樋川嬢

さて、今回の任務の内容を伝える。
以下の三つのタイトルについて文章作品を完成させて欲しい。

『風車』
『うっかり』
『アイシャドウ』

・期限は2013年1月23日23時59分までとする。
・任務完了後、「@utanarahi」まで必ず報告をすること。

なお、次回の指令は2013年1月21日0時より、期限までに発表する。

では、任務の成功を心より祈る。


++++
posted by 華涼紗乃 at 19:30| Comment(0) | 指令書。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"手抜き"

いつもは
「どうやって手抜きしようか」
ということを必死で考える

考えてる時間に
普通にやったほうが早いときも多分ある

やらなきゃならないこととは
本当に面倒くさい
だけど
やりたいことばっかりに
時間を割いてはいられない

心の中のブーイングに耐えながら
怠けようとする身体に鞭打って動かすのは
本当にエネルギーが要るものだ

だから
それがうまくいった日は
すごく達成感があって
自慢もしたくなる

人から見れば「当たり前」でも
私にしては良く頑張ったほう
自分くらいしか
思い切り甘やかせないし
実は褒めて伸びるほうだから

そんな日に限って
自慢したい人は帰りが遅いという
帰りが遅いということは
頑張ってるということだ
おいそれと自慢なんかできやしない

帰ってきたら
やっぱり私が褒める番

それでも
早く帰ってこないかな
posted by 華涼紗乃 at 19:25| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"サンドイッチ"

そんなに好きなわけではないけれど
とにかく沈黙には耐えられないので

しょうがなく
部屋にいるときはテレビをつけている

何気なく見たパンのCM
真っ白の食パンに
ゆでたまごを刻んで
マヨネーズであえたものが
たっぷりとはさまれていた

白と黄色のコラボ
大きく映された断面は
今にもたまごがとろりと落ちそうなほどで
とてもとても美味しそう

食べたいな、と思った
作れるな、とその次に考えた
ゆでたまごはどうやって作るんだっけ?
記憶をたどりながら
鍋に水をはりたまごをいれて火にかける

15分後
できた卵をさましてむいて
マッシャーで潰しながらマヨネーズであえる
実家ではここに
塩と黒こしょうを少々入れていた

食パンを取り出して
バターを塗って
たまごをたっぷりと
ハムが余ってたから
それも一緒にはさんで
出来上がり

少し落ち着かせたら
食べやすい大きさに切って
食卓へ

ぱくりとかじりつくと
口いっぱいに懐かしい味
美味しい、すごく美味しい
幸せだ

簡単にできちゃった
簡単に…簡単に?

とてもとても小さく
とてもとても微妙に

何かがズレ始めた気がした
posted by 華涼紗乃 at 19:25| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"演技"

おやすみなさい、また明日ね
当たりの良いやわらかい笑顔で挨拶して
部屋の扉をそっと閉める

その瞬間
安堵のため息が出そうになるけれど
そこはぐっとこらえて

自分の部屋に向かい
中に入って
鍵を閉めてから

ようやく肩から力を抜く
引き出しから
細い煙草を取り出して火をつけた

あの子はもうこちらに落ちている
すごくうまくいっている希有なパターンだ
その分、向こうの世界がきっと何の希望もないのだろう

でもあの子が可哀相なのは
きっとこっちに来てから

光り輝く木苺は毒の実
こちらにこれるということは
向こうの世界で
もう二度と起きられないということ

ここはファンタジックで
夢のような冒険の舞台じゃない
あの子がここに永住することが確定した時点で
奴隷商人に売る算段はすでに出来ている

あともう少し

それまでは偽物の笑顔で精一杯の演技をして
野菜しか入ってないシチューを作るだけ
posted by 華涼紗乃 at 19:24| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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