2012年12月05日

【指令】第6週:樋川→華涼

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ごきげんよう、華涼嬢

さて、今回の任務の内容を伝える。
以下の三つのタイトルについて文章作品を完成させて欲しい。

『設計図』
『研究所』
『どしゃ降り』


・期限は2012年12月12日23時59分までとする。
・任務完了後、「@utanarahi」まで必ず報告をすること。

なお、次回の指令は2012年12月10日0時より、期限までに発表する。

では、任務の成功を心より祈る。


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posted by 樋川春樹 at 23:34| Comment(0) | 指令書。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『オレンジ』


あめは

ふっていますか


つめたいあめ

しとしとと
せかいをぬらす

つめたい

ふゆのあめ


あめは

ふっているのでしょうか



ふしぎです

ゆうひはもえるようなあかで
そらにしずんでゆくのに

つめたいつめたいあめが

からだをぬらしている

めのまえはいちめんのオレンジ
うつくしいゆうやけ

なのにつめたいふゆのあめが

ふりそそいでくるのです

たえまなく


おそろしいほどにきれいなゆうぐれの
なかで

うごかないわたしの
からだに

つめたいあめが
しとしとと

とぎれることなく


ああ

ここはとてもさむいのに

ゆうやけいろにそまったせかいは

きれいで

とてもきれいで


ここはとてもくらいのに

もえるようなゆうひが

さいごに

さいごにそらをみあげた

あのひの
そのままに


そのままに
posted by 樋川春樹 at 21:45| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【指令】第6週:華涼→樋川

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ごきげんよう、樋川嬢

さて、今回の任務の内容を伝える。
以下の三つのタイトルについて文章作品を完成させて欲しい。

『香水』
『ろくに』
『セーター』

・期限は2012年12月12日23時59分までとする。
・任務完了後、「@utanarahi」まで必ず報告をすること。

なお、次回の指令は2012年12月10日0時より、期限までに発表する。

では、任務の成功を心より祈る。


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posted by 華涼紗乃 at 19:16| Comment(0) | 指令書。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"待ち伏せ"

姉ちゃんを待ち伏せてみた

特に意味はない
姉ちゃんの学校は俺の通学路の途中にあるから
ときどき校門で待ってる

メールで一報
すれ違いになっちゃ時間を無駄にするから

いつもは
「わかった、すぐ行く」とか
「用事で遅くなるから先に帰って」とかくる

メールの着信音がした
さて、どうかな
「かかかかか、かえれ!」
…姉ちゃん、メールでどもれるってすごいね
ため息をついてにやりと笑う
「嫌だ」
ソッコウ送ってやった

校門から校舎をみた
こちらを見ている姉の姿が窓にあるはずだ
俺が帰るかどうか見てなくちゃ心配なはず

三階右から三番目の教室
…べったり張り付く姉の姿が見えた
そこから良く見えるように体勢を変える

しっしと追い払うような身振りをする姉に
にっこり笑ってひらひらと手を振る

今日こそは面拝ませてもらおう
弟としては当然知っておくべきだからな
posted by 華涼紗乃 at 19:04| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"半信半疑"

体調が悪いといつも連絡がある
律儀に律儀に毎日決まった時間に

その電話を私がとることはないけれど
決まった時間にいつも鳴るから覚えてしまった

一日、一週間、一ヶ月…
そうやって過ぎていった
指を折って数えると
もう半年くらいになる

そんなに身体の調子が悪いと入院ものだと思う
それかこんなことをやっている場合ではない
今すぐ病院に行って適切な治療を受けるべき

何よりたまに姿を見たときは
実に元気そうに笑っているのだ
どこかに出かけた話なんかして

最初は私も心配したけれど
少しずつ疑いだす
それはやがて信じる割合を抜いて
半分になり
もう今は信じてるフリをするだけになってしまった

大型連休が明けて姿を見たけど
また大型連休に入ってしまったらしい

次はいつ姿を見られるのやら
やっと楽になれると思ったけれど

まだまだ先は長そうだ
とっくの昔に放棄して
適当にやってるけど

それでも落胆はするんだよ
本当にひどい落胆を
全然信じていなくても、ね
posted by 華涼紗乃 at 19:03| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"吸血鬼"

家に帰れば迎えてくれる
ふわふわの白い毛に覆われた動物
猫に似ているがそうではなく
猫耳の位置に小さな丸っこくて硬い角が2本

玄関で靴を脱いでいる僕の前で
ぷかりとあくびをする
口の中には可愛い外見からは想像できないほど
鋭く長い2本の牙

そう、コイツは吸血鬼、僕のペット
僕の血がコイツの食事
血液以外は何も摂取しない
僕の血で出来ているといっても過言ではないから
僕の分身といっていいかもしれない

前脚でポンと僕の背中を叩く
はいはい、ご飯だね、ちょっと待って

吸血鬼はフィクションだと信じられてきたけど
本当はどこかにいるらしい
コイツらはその改良版なのだそうだ
一人の人間の血液のみを栄養源とするため
その血液が悪いものだと
コイツの発育や体調も当然悪くなる

自分の健康管理が自分だけでなく
コイツにも影響してしまうわけだ
そうすると不思議なもので
暴飲暴食を繰り返していたり
ヘビースモーカーだったりしても
ぴたりとやめ健康に気をつけるようになるという

もっとも自分をいじめて
コイツらを苦しめる倒錯者もいるみたいだが

ともあれ食事だ
今日も有機野菜をたくさん使った
スープを飲まなくちゃ

シャツを肘までまくって
手のひらを上に向けて手首の内側を見せた
目をきらりと輝かせカプリと噛み付く

ほんと、美味そうに飲むんだな
背中を撫でるこの瞬間が僕の至福のひととき
posted by 華涼紗乃 at 19:02| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ただでさえ』

 前後左右、どちらに顔を向けても視界いっぱいに人の波が飛び込んでくる。
 幼い子どもを連れた若い夫婦や、若者同士のグループが多い。
 誰もが笑顔で、楽しそうに隣にいる誰かと会話している。
 ストリートの随所に立てられたスピーカーからは賑やかなBGMが絶え間なく流れている。
 様々な音が渾然一体となってとても騒々しい。

 うるさくて不快だけれど、ここから離れるわけにはいかない。
 この混雑の中でしなければならないことがある。
 それをすることで一体何が起こるのか、自分のしたことがどう影響してゆくのか、わからないけれどしなければならないこと。
 全ての行動に意味を求め、何もかもを理解したがる人間には、自分がこなしているような役目は耐えられないのかもしれない。
 自分がどの作業の続きをしているのか知らされず、自分の成果がどこへ繋がってゆくのか、最終的にどういった結果をもたらしているのかも知らされない、完全に断片でしかない役割。

 今日のような喧騒の中でいつ終わるとも知れない待機を強いられるような状況も、意味づけの毒に狂った人間の脳にとっては多大なストレスになるのだろう。
 自分が不快だと思うのはあくまで現状に対する評価の一種であって、そのことに精神的な負担を感じたりは特にしない。
 まがいものの生命に宿ったかりそめの感情は、人間を正確に模して『枠』の中で活動するのに都合が良いようにするためにあるものだから。

 それにしても人が多い。
 今日は天気も良いし気温もちょうどいい。
 昼過ぎからこの近くに有名アーティストがやって来てコンサートをすることになっている。
 様々な条件が組み合わさって、ただでさえ人出が多い祭日を一層賑やかなものにしているようだ。
posted by 樋川春樹 at 00:43| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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