2011年06月19日

彫刻

古い道を歩けば
そこかしこに点々と

ポツリと立つ碑

おそらくそこには
なにかがあったのだろう

わたしには
なにかは知らないけれど
わたしじゃない誰かには
大事ななにかがあったのだろう

そんな風にわたしも

他の誰にもわからぬように
けれどあなたにわかるように

いつかわたしがいなくなり
姿かたちを忘れても
ふとした時に心を引っ掻く

あなたにとって
そんな存在になりたい

あなたの道に点々と
わたしという碑を残したい

ひっそりと奥深く
あなたの心にわたしを刻みつけて

消えないものになりたい


posted by 葉瀬尋 at 23:03| Comment(0) | ひろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

中断

どこまでも
考え出すとキリがない
疑惑や不信に囚われて

あなたの言葉が届かない
わたしの心に届かない

なのに哀しいね

あなたに見つめられると

わたしのすべてが停止する

だからお願い

いつも見つめていて

余計なことをなにも考えられなくなるように

頭をかすめる別れの予感を
現実のものにさせないで

わたしに踏み出させないで
ずっと立ち止まらせていて

この残酷なぬるま湯に
もうしばらく浸らせていて

お願い

目を逸らさないで

嘘でもいいから

わたしを見つめて

お願い

どうかこのまま

時よ

止まれ
posted by 葉瀬尋 at 23:02| Comment(0) | ひろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

妥協

今ここにあるぬくもりは
わたしをあたためる

ただのひとときだけ

心には
いつもいつも風が吹く

冷たい乾いた風が
わたしを凍えさせる

今ここにあるぬくもりでは

止められぬ風
癒やせぬ凍え

ほんとうに欲しいのは
違うひとの腕だから

今ここにあるぬくもりは

ただひととき
わたしをあたため

わたしの上を通りすぎて行く



posted by 葉瀬尋 at 23:00| Comment(0) | ひろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『彫刻』

千年もの時を経てもいささかも揺るがぬ線が
永遠の虚空に視線を定めたそのひとの姿を描き続ける

色もぬくもりもやわらかさも削ぎ落とした似姿は
このまま次の千年も通り過ぎるのだろうか
いつか眺める者が皆、絶えたとしても

posted by 樋川春樹 at 17:04| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『中断』

ずいぶん長いこと眠っていた気がする

何十時間何日間それとも何年間何十年間

すべてを捨て置いて犠牲にしてただ利己的な睡眠に自分を逃がしても

問題は解決しないから
目を開ければまたそこから

何度でも何度でも

向こうがあきらめてくれることなどないから

有限の逃避が終わればまた直面する
自分が自分である限りは多分死をもってすらも逃げられない問題に

目を閉じて耳を塞いで
向き合うことを束の間中断しても
それはいつまでもそこにあって
この萎えた両足では遠ざかることも出来ない

どんなかたちであれ救済などない

posted by 樋川春樹 at 17:00| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『妥協』

中途半端でもそこが終わりと決めたなら楽になれる
血を吐きそうな想いでしがみつく必要などない

大事だととらえている何もかもはその感情ごと所詮はただの錯覚だから

もうやめたとひとこと宣言して笑っていればいい
はじめたのがあるいは自分自身ではないとしても
終わりを決められるのは今ある自分

楽になればいい
うわべだけの幸せを手にすればいい
少なくともそれで許された気分になれるなら
それすらも認識の根本的な錯誤だとしても

自ら倒れると決めてもう起き上がらないと決意したものを

誰も助けられない
他の誰かには助けられない

posted by 樋川春樹 at 16:53| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"彫刻"

削り取られていく
刻まれていく

決して石や木ではないのに
柔らかくて血も流すのに
みんな誰でも持ってるものなのに
痛みを知ってるはずなのに

どうしてこんなに躊躇なく
刃物をふるえてしまうんだろう

しゅるしゅる、がりがり
ざくざく、がんがん

今日も人に出会うたび刻まれていく
噴き出した鮮血をものともせず次のひと彫り

大きく、広く、無垢だったそれは
小さく、狭く、汚れてしまった

痛みに耐えながら冗談を考える
せめてこの彫刻が芸術になってくれれば
まあそれでいいかなって

気が遠くなる一歩手前まで
自嘲の笑みを浮かべる
posted by 華涼紗乃 at 13:22| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"中断"

これからも続いていくと思っていました
安心で安全な明日は必ず来るものと

だけど違ったようですね
平和な毎日が続くのは
本当に危ういバランスの上に成り立ってることで
一度ふと気を抜けば足元から崩れ落ちる

始まりはただの些細なケンカだったのです
言い方がきついとか
細々したこというなとか
まあ、そんな程度の

でも平和な毎日を続けるために
二人とも相当無理をしていたようです
ちょっとしたことが呼び水になって
こんなことになってしまうとは

幸せな毎日は中断されました
再開は不可能
あなたの人生も私の人生も
180℃変わってしまいました

愛しています
今でも愛していますよ
動かなくなったあなたに
寄り添うことも平気なのです

だけど、もう

目を閉じて開いたら
赤く、紅く、硬質なきらめき
綺麗だけど、見たいものではありません

幸せは中断したけれど
生きることは中断できません

ゆっくりと携帯をとりました
ボタンを押せば新しい生活の幕開けです
posted by 華涼紗乃 at 13:20| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"妥協"

「妥協はしたくなかったんだ…」
つばの広い大きな帽子の下でその人は笑う

裾がほつれた古いマントが風になびき
視線は遠くを見つめている

物心ついたときにはもう一人だった
歯を食いしばるような運命に耐えて
足をひとつ、またひとつと進めてきた
これからもそんな毎日だろう

何かを一つ諦めてしまえば
味わえる幸せはそこここに散らばっていた
美女に好かれ、夫になることを望まれた
大富豪に気に入られ、後を継いでくれと懇願された
首を縦に振るだけで
当たり前の幸せは手に入れられたのに

「後悔はあまりしてないよ」
綺麗な瞳は決して清々しいだけではない
清濁をあわせのんだものだけが見せる
複雑な光がそこにある

「じゃあまたいつか」
彼はそういって歩き出した

ここでもまたひとつ幸せをふいにして
迷いを背中に映しながらも
一度も振り返ることなく
posted by 華涼紗乃 at 13:19| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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