2011年06月05日

それなりに

真面目に生きてきたいままで
学校では優等生で
家庭でも品行方正
まっすぐ人生を生きてきた

大人になってからは

優しい恋人と
やりがいのある仕事

それなりに幸せで

でも、すこしだけ
ほんのすこしだけ

知らない道を歩きたくなった
知らない角を曲がりたくなった

ほんやりとした暮らしを
自分から打ち破ろう

行く先がどこへつながるか
わからないけれどただ進めば

それなり、なんて妥協じゃなく

幸せも不幸せも
自分で選んだ結果として
すべてを受け入れられる

さあ、踏み外せ

自分の道を歩むには
今しかないわけじゃない

いつでも、踏み外せ

勇気をもって
posted by 葉瀬尋 at 23:59| Comment(0) | ひろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

早朝

夜から朝にかけて
急激に気温は低下する

そのせいか
その時間帯にはぬくもりが恋しい

強引な抱擁にもキスにも
もう慣れたもの
戸惑わずに受け入れられる

誰かが近づけば
パッと身体を離して
なにもなかったふりして
顔を見合わせてすこし笑う

夜に落ちる影
街灯の脇でまた重なる

夜を引き摺る二人に
朝焼けが別れの時を知らす

春の日は束の間の逢瀬
冬にはわからなかった

こんなにも夜更けが短いものだとは

訪れる早い朝は
二人を別つしるし

いつしかあなたと私から
なにもかも連れ去る




posted by 葉瀬尋 at 23:50| Comment(0) | ひろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

善悪

愛がすべて美しいなら
人はみな素晴らしい

唇にほほえみと愛の言葉をのせ
憎しみあうことも知らず
愛し合う喜びだけを感じていられる

でも愛はさまざまに
乱れ交わりすれ違うもの

求めても届かない愛がある
与えても捨てられる愛がある

愛はさまざまに
人を善くも悪くもするもの

喜びだけでは
得られない気持ちがある
憎しみだけでは
わからない幸福がある

ほしいままに
おもうとおりに

愛が叶うのなら
愛を信じられたなら

人はこんなにも
強くたくましくはならなかったろう

善い愛とは
悪い愛とは

異なるものではなく
ひとつの円いもの

人を悲しませ喜ばせ
生かせるもの

愛がなければ
人は誰も生きていけない

それがどのようなものであれ

愛は生命そのもの

posted by 葉瀬尋 at 23:32| Comment(0) | ひろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『それなりに』

 とりたてて野心もなく、欲もなく
 気持ちを偽ることには慣れているから
 悪し様に罵られてなお感情を乱さずに
 ただ波風立てず、目立つことも避けて
 無事に一生をやり過ごすことだけを望んだ

 誰に対しても無難な笑顔で
 どんな話題にも話を合わせて
 潔癖ではなく、さりとて卑劣でもなく
 誰かに深入りすることもされることもないように

 「それなりに」しあわせならそれで良かった
 悲惨なまでの不幸でさえなければそれで良かった
 人並みに一歩及ばないぐらいでもいい
 ただ平穏に暮らせるならそれで良かった

 昨日と同じような今日が来て、
 今日とよく似た明日が来る
 退屈極まりないそんな反復が

 どれほどの幸運と奇跡の上に成り立っているものか

 知ってしまったから

 知ってなおそれを望む気持ち自体が
 不遜なまでの高望みなのかもしれないとしても
posted by 樋川春樹 at 21:22| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『早朝』

 朝の空気は一日のなかでも特別だと思う
 清々しく澄んでいて、すこし冷えていて
 大事にしまっておかれた袋から取り出されたばかりのような
 おろしたての空気を胸いっぱいに吸い込んだ

 今日もいい天気になりそうだ
 風は少し強いけれど、暑くもないし寒くもない
 部活の朝練に行くのだろう学生が自転車で走り抜ける
 どこかの家から目覚まし時計のベルが聞こえる
 母親たちは出来立ての朝食をテーブルの上に並べているだろうし
 子どもたちはあと5分の眠りをあたたかい布団の中で貪るのだろう

 大きくのびをして、ぼくも自分の向かうべき場所へと歩き出す
 もう二度と戻らないとわかっている道を辿って、
 果たさなければならないつとめを果たすために

 これがさいごの朝だよ
 そして太陽はもう沈むこともない
posted by 樋川春樹 at 21:02| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『善悪』

 ただ純粋な『感情』だった
 裏も表もない
 どこまでもまっすぐな

 純粋なものは単純でそれ故にぶれることがない
 逡巡も躊躇も無縁のその『気持ち』は
 爆発的な正しさでもってわたしを助けてくれた

 ひ弱だった白い手は
 拭っても落ちない血にまみれたし
 うち捨てられた無数の屍の中には
 はっきり言って無関係な人間も混じっていたけれど

 それが何だと言うのだろう
 それが何だと言えるのだろう

 こうしなければ殺されていたのはわたしだった
 こうしなければ倒れて朽ちていたのはわたしだった
 ならばどんな犠牲を払ってでも生きることそのものにしがみつくのが
 生き物として当たり前の反応ではないのだろうか

 死にたくないと恐怖し生き続けたいと願うとき
 善悪などという曖昧なものさしは投げ捨てられて踏みつけにされるだろう

 うつろに笑って、それでも振り返って悔やんだりはしない
 自分が足蹴にした人間に同情したりなんかしない
posted by 樋川春樹 at 20:45| Comment(0) | はる | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"それなりに"

適当なところで妥協して
適当なところで目をつぶって
とりあえず世間の枠から外れないように
生きていかなければならない

人間の根本は多分これ

人間は知恵がついた分
生命の道理にさえ従わないものだ
DNAの支配下にも完全には置けない

そういうタガさえ容易に外せる

異性だけを好きになるわけじゃないし
年齢だって低くても高くてもお構いなし

異常だなと思う瞬間が来ても
いづれ独占欲や支配欲
自分の欲のほうをタガの中で優先させようとする

歪み、滲み、ぐちゃぐちゃになる

受け入れるフリをして
内心で拒絶すれば誰にもわからない

それなりに、それなりに
隠したり、切り捨てたり、転換したり
自分が傷つかないように

目で見える世界ほど
綺麗なものはないんだよ、本当は
posted by 華涼紗乃 at 12:07| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"早朝"

ふと

目が覚めた

よく寝たなという充実感

携帯で時間を確認

午前5時

まだもう少し眠れる

まだもう少しぬくぬくしていられる

隣で寝息をたてる

可愛い人の頭をひとなで

くすぐったいのかふんわり笑う

夢の中に帰るよ、もう一度

太陽が昇りきる時間だけ

もう少しあと少し

幸せなこの瞬間を

posted by 華涼紗乃 at 12:06| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

"善悪"

境界線は
とても小さくて細くてぺらぺらで
あるいはものすごく複雑怪奇な形状で
時には知覚さえ危ういものだけれど

存在はするのだろう

白地に黒の善と黒字の白の悪

アナログな列車案内板のように
パタパタと一瞬ごとに
入れ替わったとしても

善いことと悪いこと
きちんと存在するのだと思う

誤魔化したり
見えないフリをしたり
屁理屈で押し込んだり
適当にあしらったり

そんなふうにして
真正面から向かい合わないだけで

どこか全然別のところで
時間なんて関係ないところで

パタパタとパネルの音が
無数に重なって雨のようになって
降り注いでいるのだろう

審判は常に下され続けている
posted by 華涼紗乃 at 12:05| Comment(0) | はな | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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