2011年04月07日

公園

こどものころ遊んだという
思い出の場所に
手を引かれてついていく

昔むかしは今みたいな
跨がると弾む妙な目つきの馬のかたちをした乗り物や
べっとりと赤く塗装された手すりのついたベンチなんて
なにひとつなかったらしい

桜の木に囲われた
ただ広いだけの場所で
元気にかけまわっていた姿を想像して
思わず笑みがこぼれる

嬉しそうだねと聞かれて
嬉しいんだもんと答える

唐突にあなたが片隅を指さして
あそこに猫が埋まってる、と言った

大好きだったのに
車に潰されたと言った

悲しかったから
家の近くのここに埋めたと
桜の咲くここに埋めたと

そんなことを教えたのは
私が初めてだと言った

わからない

あなたの言うことが
いちいち

作り話なのか
本当なのか嘘なのか

すべてを信じられたら
不安になる必要もないのに

どこかで疑いながら
笑顔ですべてを受け入れるけど

引かれる手に力をこめた
少しだけ逆らうように

足を止めたあなたが振り向き
私に半歩近づいた

てのひらの他にも
わずかに重なる二人のからだ

このままこころも重なれば
言うことないんだけど

からだを離した二人の間を
真夜中の風がすり抜けて

わずかなぬくもりと一緒に
大切な何かを奪っていく



posted by 葉瀬尋 at 22:22| Comment(0) | ひろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

幻覚

私が見たのは幻
そんな愛を求めていたから

熱いあなたの吐息も
痛いくらいの抱擁も

まるで本物だったから
すっかり舞い上がったの

温かいまなざしも
優しいてのひらも

感じていたけど
信じていたかったけど

勝手に見た夢ね
本当はどこにもない

それとも一度くらいは
本当だった?

もうわからない
問うすべもない

あなたのぬくもりは
遠い日の幻

いまはもう
どこにもない


posted by 葉瀬尋 at 22:06| Comment(0) | ひろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

限界

嫌なら嫌とちゃんと教えて
じゃないと
今のままでいていいのか
どうなのか
自分ではわからないから

好きと伝える度に
嬉しそうに微笑むあなた

早く他の奴を見つけろと
早く嫌いになれと

思っているなら、笑いかけないで
思っているなら、優しくしないで
思っているなら、突き放して早く

それすらせずに引き寄せておいて
このままいつまでも
待っていていいのかだめなのか

わからないまま
おあずけのままじゃ

私、もう



posted by 葉瀬尋 at 22:03| Comment(0) | ひろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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